人間だけじゃない、動物にも薬剤師が関わっているのです。

人間だけじゃない、動物にも薬剤師が関わっているのです。

動物用医薬品製造の製薬会社で管理薬剤師として働き始めて4年が経ちます。以前は6年ほど病院内の調剤薬局で専門薬剤師として業務に関わっていましたが、違う仕事をしてみたいと思い転職をしました。薬剤師といえば病院や街の薬局、ドラッグストアで働いている印象が強いと思います。

動物用医薬品を取り扱う製薬会社への興味

私のような一般企業で働く薬剤師は珍しい分類にはいるのではないでしょうか。私の薬剤師の友人の中にも一般企業で働く薬剤師は少ないですが、製薬会社での研究職として働いている友人もいます。製薬会社で働く薬剤師もいますが、多くの人は人間の薬剤を扱っている会社だと思います。

私が勤務している動物用薬品製造の製薬会社ですが、主にペットなどの動物に向けたワクチンなどの開発を行っており対象が動物であることが特徴です。病院などで使われる人間を対象とした薬剤を製造する製薬会社での薬剤師は少し知名度がありますが、動物となるとシェアも狭く求人自体見つけることが難しい状況です。

薬剤師である私が行う業務は薬の品質管理や申請などの事務業務を行っており、病院勤務時代とはかなり業務内容も変わっています。 どちらかと言うと薬剤師というより事務作業に近い感覚で、申請書類作成のためにパソコンに慣れていないと作業ができません。

病院の院内の調剤薬局で働いていた私が動物医薬品製造の製薬会社で働くことになったのは、興味とタイミングでした。もともと病院でずっと働く以外に違う職場を経験したいと考えており、本気とまではいきませんが興味本位で求人サイトを見て情報をあつめていました。

どの求人情報も薬局やドラッグストアなどのものばかりだったので、他に薬剤師が働ける環境はないのかと情報を集め続けていたところ、転職エージェントの方から動物医薬品製造の製薬会社が管理薬剤師を探していると声をかけていただいたのです。病院以外でのフィールドを探していた私にとって興味のある内容だったので、早速詳細を聞きに行きました。

最初は動物用医薬品と聞いてピンと来なかった部分もありましたが、動物病院などで使用されるワクチンなどを作っていると聞いて納得しました。私も以前はペットを飼っており動物病院にはワクチン接種のために通った経験があります。

人を対象とした薬品から動物を対象とした薬品への扱いが変わりますが新しい世界が見られるような気がして経験してみたいと思い、同時に薬が必要なのは人間だけではなくペットなどの動物も同じなのだと改めて思いました。今までとは違う形で貢献ができると思い転職を決意して現在に至ります。

残業もなく定時で帰社する事はできるが、職場環境で感じる悩みもある

以前働いていた病院の調剤薬局では業務内容も多く残業もあり、緊急処方への対応や処方箋を出さずに薬剤を要求してくるドクターに振り回されたり、薬剤師のスタッフ同士で業務を分けてチームワークで業務をこなしたりしていましたが、今は管理薬剤師という立場で若手は私1人なため共感してくれる仲間がいないことが悩みです。

同じスタッフ同士でのやりとりがあっての楽しさも感じていましたが、今はそんな環境もなく残業もなく定時で帰れるという好条件ではありますが少し物足りなさを感じています。

私の場合は病院や薬局以外で働く特別な薬剤師のパターンだと思います。動物用医薬品製造の会社など紹介してもらわなければ知ることもなかったと思いますし、そのような場所があることすら知らずに過ごしていたと思います。

薬剤師が病院以外の場所で転職を果たして働こうと思うと簡単なことではありません。病院以外では薬剤師の数は少ないし1人で対応することも多いです。対応できるだけの経験と年齢制限があるところが多いため、目指している方は時間をかけてじっくり選ばれることをおすすめします。


薬剤師だった叔父に憧れて、これが薬剤師を目指した動機です。
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