国立大学病院の薬剤師はほぼ公務員待遇

国立大学病院の薬剤師はほぼ公務員待遇

私は大学を卒業後に、そのまま付属の大学病院(一応国立です)での就職が決まり、病院薬剤師として勤務することになりました。同期は顔見知りも多くて心強く、とても嬉しかったのですが、初任給の低さに衝撃を受けました。国公立病院のスタッフはほぼ公務員に分類されるため、低いというのは聞いていましたが、20万円を超えないほどの低い給与・・。

無事に国立大学附属病院に就職が決まったものの・・

薬学部は医学部と同じ6年制になったのに、医師と違って薬剤師は病院の中での地位は低いです。病院ででは、医師・看護師がメインスタッフ、特に医師は1番の稼ぎ頭です。(最近、病棟薬剤業務実施加算が新設されましたが、業務のほとんどは調剤なのであまり意味がないように感じます)その他薬剤師や技師は診療報酬を稼ぎづらい職業=人件費が安く設定されると聞きました。せっかく6年間もかけて勉強して国家試験にも合格したにも関わらずこの低賃金・・ちょっとグッタリきてしまいました。

その割に仕事はかなり忙しく、割に合いません。残業や夜勤も多く、週に最低1回、多い時は2回、夜勤に入らなくてはなりません。最初の数回こそ先輩と2人体制でしたが、あっという間に1人体制になりました。まだまだ経験が浅い新人薬剤師だった私は、重くのしかかるようなプレッシャーを感じて、仮眠もろくに取れず、夜勤明けはいつもフラフラでした。

また、薬剤部の薬剤師の人数が結構ギリギリの人数で仕事を回している状態で、誰かが風邪を引いた、寿退社した、妊娠して産前産後休暇に入った・・などと1人でも欠けると相当キツく、2人欠けると職場はブラック職場と化します。調剤薬局やドラッグストアで働く友人は、人員不足の場合、他の店舗からの応援が頼めるらしく、心底羨ましく感じました。

転職は思いとどまり、病院薬剤師として頑張っていこうと決意

求人サイトに登録して転職しちゃおうかな・・とも思いましたが、契約社員として働きながら正社員を狙っていた薬剤師さんが「これ以上この安月給で生活していけない。疲れた。」と言って辞めていったことをきっかけに、踏みとどまりました。国公立の病院に勤務することはなかなか難しいのだと改めて気付いたのです。何だかんだ言って、結構恵まれています。給与は初任給こそ衝撃の低賃金でしたが、しっかりと定期昇給があり、働き続ければ平均年収は約600万円ほどにはなります。残業手当もしっかりつくし、福利厚生も充実、女性は産休や育休も整っているのもポイントが高いです。

最先端の医療に携わることができ、多くの診療科があるため、扱う薬も膨大で通常以上の経験値が積めます。医師とともに回診で服薬指導をしたり、チーム医療への傘下、治験、臨床・・それに伴う責任は大きいものですが、やりがいもひとしおです。

医師や看護師に医薬品に関して助言をして感謝される、こういう処方を・・と提案した薬が採用される、患者さんの検査値がすぐに把握できるので、自分が調剤・処方した薬が効いていることを確認できる、これらの経験ができるのは病院薬剤師だけです。 病院は医療に貢献している、という手応え、やり甲斐をどこの職場にいるより感じることができる職場だと思います。


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