薬剤師の在宅業務のやりがい

薬剤師の在宅業務のやりがい

形だけの在宅しか行っていない調剤薬局からの転職

私は、薬学部に在学中の頃から薬剤師の在宅業務に興味を持っていました。日本は高齢化社会の段階も飛び越えて、超高齢社会に突入しようとしています。これからの薬剤師は、ただ医師の処方箋通りに正確に調剤をこなすだけではなく、在宅医療のスキルが必須となると思い、就職先は在宅医療を行っている調剤薬局に就職しました。まずは経験を積み、いつかは1人でも在宅業務を行えるようになりたい、と思っていました。

形だけの在宅しか行っていない調剤薬局からの転職

しかし、思い描いていた理想と職場の仕事内容はかなり違っていました。薬剤師はただ患者さんに調剤した薬を届けて服薬指導を行うだけ。家に入られるのを嫌がるご家庭だと、患者さんに会うこともなく玄関先で薬を手渡すだけ。ひどい時は、薬剤師の手が足りなくて忙しい場合、事務員などの薬剤師以外のスタッフが薬を届けに行くのです。しかも、その流れの中に医師との接点は皆無、もう少し積極的に患者さんに関わっていきたい、と新人の立場で僭越ながら意見を述べましたが何も変わりませんでした。

もどかしさを感じて独学で在宅業務について勉強したり、研究会に参加したりするうちに、縁あって在宅医療に興味を持つたくさんの薬剤師に出会いました。実際に在宅業務を行っている薬剤師さんにも出会い、その方達から話を聞いて、かなり影響を受けました。在宅業務において薬剤師にできることは思っていたよりかなり大きい!そう気付いてからは、ますます在宅に携わりたいと思うようになり、求人サイト(ファルマ)に登録して、形だけではない、本当に在宅に取り組んでいる調剤薬局の情報を集め&その1つに転職しました。

在宅に力を入れている調剤薬局で働いてみて

転職した調剤薬局は業務の半分が在宅業務を占めており、在宅業務についてしっかりと研修制度が整っていました。医師との連携がしっかりと取れており、往診同行して、医師が患者を往診するそばにいて、患者さんの様子を薬剤師の視点からも確認することができます。薬剤の種類、飲み方などを処方提案することも多く、しっかりと治療に携わることができているのを実感できるため大きなやりがいを感じます。

また、決してお金にはならないサービスもしています。例えば、処方箋には28日分(4週間分)の薬が出ていても、患者さんやそのご家族から希望がある場合はもちろんのこと、薬をうまく管理できず飲み過ぎてしまう・他にも複数の薬を処方されていて飲み間違えてしまう、など、全日数分の薬を渡すには心配な患者さんには、2週間ごとに2週間分の薬を持って訪問したり、1週間ごとに訪問したり、あるだけ飲んでしまうような患者さんには1日分ずつ薬をお届けします。(在宅患者訪問薬剤管理指導料は月4回までしか算定できないため、サービスとなります。)

在宅医療は、患者さんだけでなく患者さんのご家族から感謝されることが多く、有益な経験となりますし、高齢の患者さんの場合、その方の人生の終盤に関わることになります。患者さんが最後の時まで穏やかに人生の幕を下ろす瞬間を見届けること・・それもまた心豊かな経験となります。私の個人的な考えですが、薬剤師が在宅医療に携わるのが当たり前の時代がすぐそこまで来ていると思いますので、在宅業務に興味のある方はチャレンジするならまさに今だと思います。


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