夜の病院は大変!? 薬剤師の当直バイトでの体験エピソード

夜の病院は大変!? 薬剤師の当直バイトでの体験エピソード

薬剤師になって10年が経ち、気が付けば30代半ばになっていました。学校卒業後は国家試験を無事にパスして病院の薬局で5年ほど勤務していましたが、病院以外で働きたいと思いドラッグストアで薬剤師として今は勤務しています。

友人からの誘いがきっかけで薬剤師の当直バイトを始めました

病院とは違いドラッグストアでの勤務は時間にも余裕があり自分には合っていると感じていました。正直知識的な面では病院ほどは要求されないため、ある程度経験を積んでおいてよかったと感じています。年収は病院時代とほとんど変わらず、時間と休日に満足している状況です。

いつも通り勤務先で業務をこなしていると友人から、ある以来を受けました。「病院当直のバイトに穴が出たから来てくれないか?」という内容のものでした。友人とは大学からの付き合いで今でも食事に行く仲でしたが、急な誘いに驚きと戸惑いを感じました。臨床を離れて5年がたっているため正直自信がなかったのです。しかし、薬剤師の当直バイトは貴重なもので案件自体も多くないので、貴重な機会だからと思い引き受けることにしました。

「当直のバイトは患者様が来なければ時間もあるし、1晩だけで良い。バイト代もきちんと出すから。」という言葉に乗せられて、1回だけならと思い引き受けました。当直は基本的に緊急要請がある時以外は時間があり仮眠もとることができますが、時間がありすぎて時が流れるのが遅く感じてしまい苦痛です。

あまり乗り気ではありませんでしたが、指定された日に指定された場所に向かい当直の夜を迎えました。病院に入ること自体5年ぶりでなんとも言えない気分でした。当直室は静まり返っておりその静けさが逆に不気味さを際立てているように感じました。「このまま何もなく終わってくれ」と心の中で強く唱えました。

始めての当直バイトは、不慣れな環境や緊急の患者受け入れでバタバタでした

当直を始めて3時間が経過したとき、部屋のコールが鳴り、緊急要請の連絡がきました。ドキドキしながらも現場に向かいましたが、救急では患者受け入れ準備でバタバタとしていました。久々に感じる緊迫感に圧倒されながらも準備に取り掛かろうと思いましたが、臨床の現役時代同様には動けない自分がいました。

「●●を輸液に混注して時間5でいって!早く!」などと絶え間なくドクターからの指示が飛んでくる状況で緊急のため処方箋もなくすべて口頭指示のみです。本当に指示薬が合っているのか、間違っていたらどうしようという不安に潰されそうになりながら必死で業務をこなしました。 患者様が搬送された後も要領が掴めずアナムネも満足に取れない状況で同じく当直をしていた薬剤師の足を引っ張っている状況で、薬剤の場所が分からずドクターには怒鳴られるはで大変な状況でした。

バタバタしながらもなんとか朝を迎えましたが、心身共に疲れ切っていました。臨床時代は病院の夜勤をこなし何とも思っていませんでしたが、臨床を離れた今は精神的にも辛いと感じ、ドクターに怒鳴られるのも何年ぶりの状況かと目の前で起きたことに対して自分で受け入れられず戸惑いを隠しきれませんでした。友人には悪いですがもう二度と引き受けたくないと思いました。改めて自分にはドラッグストアで薬剤師として働くことが合っているのだと感じました。

臨床を離れて5年ぶりの当直のバイトでしたが、病院勤務で身に着けた薬剤師としての知識と経験は無駄ではなく役に立ったと思います。しかし体力的な面や精神的についていけないことを実感して、機会があってもやりたくはないと感じました。薬剤師の当直バイトはしんどいと言われていますが、若いうちに臨床での経験を積む場としては最高の環境です。救急の場では基本的にドクターの口頭指示で現場は回っていますが、救急の場でも薬剤師は必要な存在です。チーム医療としてのやりがいを感じることができるので素晴らしい仕事だと改めて思いました。


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