薬剤師が余る時代に向けて

薬剤師が余る時代に向けて

薬剤師の将来性のなさから転職を考える日々

私が薬剤師になろうと決めたのは、医療系の安定した仕事だし、難易度が高い医学部に入学するほどの偏差値はなかったからでした。それでも覚えることは山のようにあったし、要領の悪い私はバイトもままならないような学生生活でしたが、それでも必死に勉強し、何とか薬剤師試験にも合格、地元の総合病院で薬剤師として働き始めました。就職が決まった時は、もうこれで一生安泰だ!と心の底から安堵したのを覚えています。

入職してしばらくしたある日、同僚が、「薬剤師って、将来人数が増えすぎて余るらしいな。このまま薬剤師でいて大丈夫かな?」と言われて愕然としました。今では当たり前に囁かれている薬剤師は近い将来過剰になり余る、という事実も、当時はそれほどポピュラーな話ではなく、私にとっては完全に寝耳に水で、盤石な人生基盤を築いたはずの自分の足元が崩れていくような感覚に陥りました。

自分なりに調べてみましたが、確かな話のようで、私が卒業した頃は4年制だった薬学部が6年生になり、薬学部の定員が増加したことなどが原因のようです。自分の人生が安泰ではないことを知って、今後どうするべきか本当に悩みました。

このまま薬剤師を続けていても、後々40-50代になって薬剤師以外の仕事ができない年代になった時にクビになって無職になるよりかは、今のうちに転職した方がの良いのか?と考え、転職サイトランキングを覗いたり、登録しようかと考えたり、今後年収だって増える見込みがないのであれば、少しでも年収アップを見込めそうなドラッグストアに転職しようかと考えたりもしました。

そんなことばかり考えていたので、就職したばかりだというのに仕事が手につかず、ミスが多くなってしまい、周囲には非常に迷惑をかけてしまいました。急性期病院に勤務していたので、薬剤師のミスは(もちろん、どんな状況であろうと許されませんが)患者さんにとって命取りになりかねません。このままでは薬剤師過剰になる以前の問題で、使えない人材としてクビになってしまいますし、雇ってくれた職場にも失礼だし、何より薬剤師として患者さんに誠実ではありません。

将来も薬剤師として働くために

色々迷ったのですが、結局はその職場に薬剤師として残ることにしました。ちょうど色々な症例や病状を目の当たりにできる急性期病院にいるため、日々症状が変化する患者さんへの対応、様々な年齢の患者さんへの処方箋や投薬の工夫、大変な日々ですが、貴重な経験を積むことができ、薬剤師として成長するのにはうってつけの職場です。どのような状況でも的確な判断を下せる薬剤師を目指して、日々勉強中です。

実は、絶対クビにならないであろう薬剤師公務員を目指そうかと考えたりもしたのですが、やはり自分は調剤が好きなので、調剤業務が一切出来ない薬剤師公務員(そして、高収入が見込めるドラッグストア薬剤師も同じ理由で)は選択肢から外しました。将来薬剤師が飽和になっても、病院が絶対手放せないほどの薬剤師になろうと思います。薬剤師としての未来が見えなくて不安な方は、とにかく自分の能力を磨くことをおすすめします。


病院勤務 (38歳男性)のレビュー

病院勤務 (38歳男性)

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