チーム医療における薬剤師の役割

チーム医療における薬剤師の役割

大学病院でチーム医療の一員として治療に携わっていました

以前、大学病院に勤務する薬剤師でした。 私の出身大学は、大学附属の病院が4つあり、それぞれの病院が連携しての臨床教育を誇っていました。 さらにチーム医療活動も非常に盛んでした。

医療の中心は医師、医師の指示の元に手足のように他の医療従事者が存在するという医療現場ではなく、1人の患者さんの病気に対して、医師・看護師・薬剤師・栄養士・理学療法士などの様々な職種の医療スペシャリストが専門性を有効に発揮し、お互いに尊重しあうことで、最善を尽くした治療を行うことができるのが「チーム医療」です。

チーム医療の中心に存在するのは医師ではなく患者さんで、その症状を多角的に捉えることができます。 またスペシャリストからのサポートにより、医師の負担が軽減するというメリットもある効率的な医療体制です。

チーム医療における薬剤師の役割は様々あり、 ●投薬した医薬品の効果や副作用を医師や看護師に伝える
●患者さんの症状を伝えてもらい、医師に薬剤の提案をする
●栄養管理が必要な患者さんへの投薬で、副作用によって栄養障害を引き起こしていないかのチェックをする
●院内感染防止のため、消毒薬や抗菌薬の的確な指導

例えば、ある高齢の患者さんが緊急搬送されて来て手術を必要としている時、看護師さんはその患者さんが自宅で元々服用していた薬を全て把握し、医師に伝えなければなりません。 高齢の方の中には10-20種類もの薬を併用している場合もあり、さらに管理方法は人それぞれのため、シートから取り出されてバラバラにケースに保管されている場合などもあります。

看護師さんが初めて目にする薬などもあり、専門職である薬剤師でないと調べるのに非常に労力を要しますので、その手助けをします。 さらに薬剤師は、手術前には服用を中止しなければならないもの、治療や手術に必要な点滴と薬剤との併用の注意点など、手術前の短時間に確実に確認して医師や看護師に伝えます。

もちろん重圧もありました。 もし失敗をすれば私1人の責任ではなく連帯責任になるためです。 でも、あの時期以上に薬剤師になって充実していた時期はありません。 患者さんの回復に貢献しているんだ、という確かな手応えがありました。

現在は薬局で調剤業務の日々

現在は、結婚・出産を機に大学病院を退職し、勤務時間の融通が利く薬局で調剤業務に携わっています。 残業もほとんどなく、あの刺激的な毎日が夢であったかのように穏やかでのんびりした日々です。

もちろん、主人がいて可愛い息子がいる生活に何の不満もありません。 ですが、たまにまたあの忙しい現場に戻りたい、という気持ちが湧きあがることがあるのです。 まだ息子が小さい内は、彼との時間を大切にしたいので戻るのは無理ですが、育児が一段落着いた時にはまた復帰しようかと考えています。

医療現場は日進月歩ですので、戻れるタイミングになった時に、自分の医療の知識や医薬品の知識が即戦力になれるかどうかは分かりません。 数年のブランクはなかなか埋めがたいかもしれませんが、挑戦してみるつもりです!


病院勤務 (29歳女性)のレビュー

病院勤務 (29歳女性)

主婦が薬剤師になるには両親と家族の協力が不可欠です。
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MRから調剤薬局を開業して経営者となるまで
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