MRから調剤薬局を開業して経営者となるまで

MRから調剤薬局を開業して経営者となるまで

MRから調剤薬局の開業まで

私は元々、薬学科出身で薬剤師免許も保持していますが、就職は製薬会社のMRに決めました。 就職活動をしてたまたま採用され、薬剤師の仕事と迷ったのですが、薬剤師にはいつでもなれる、と思いMRに。

MRは気苦労の多い仕事ですが、私が病院の医師の元に何度も通って薬効を認めてもらい、やっとのことで採用された医薬品は、何百人、何千人という患者さん達の手に渡り服用されます。 それによって体調を取り戻し、命を救うことも考えられます。 大袈裟かもしれませんが、病気から回復して、無事に初孫をその手に抱けた高齢者の患者さんだっているかもしれません。 誰かの幸せの土台を作るかもしれないというMRの仕事は私の誇りとなりました。

MRの仕事は、マニュアルや正攻法があるようで、ないに等しい世界です。 医師の治療に対する姿勢・病院の理念・薬の効能・・全てを考慮して、自分なりに立てた戦略がヒットして、自社の医薬品が採用されると、(自己満足ですが)成功に至るまでの苦労や失敗を思い出して自分を労いつつ、最高にやりがいを感じます。

営業職はとても楽しかったのですが、いつか独立して調剤薬局を経営したいと考えるようになりました。 そのため、調剤を覚えておいた方が良いだろうと考え、27歳で調剤薬局に薬剤師として転職しました。 薬剤師として働く傍ら、開業に向けての勉強を始めました。

タイミング良く、MR時代に担当させていただいた整形外科の医師とご縁があり、2年後をめどに独立して整形外科のクリニックを開業する予定なので、そのクリニックの隣で薬局を開業させていただく約束をしたのです。

医師が開業するクリニックの予定地の近くの空き店舗の大家さんと交渉して、薬局を開業するというお話をして賃貸契約をしました。 薬局に必要な機材(分包機やレセコンなど)、薬剤棚や調剤台などの備品を揃えました。

従業員は事務を2人、薬剤師は自分ともう1人で計2人です。 整形外科の処方箋は軽いのでそれで十分回すことができます。 内装工事を頼んだり、医薬品を仕入れたり、調剤薬局の申請業務をこなしたり・・当時を振り返ると、開業準備はかなり大変だったのですが、夢や野心に燃えていたせいか、あまり苦しいとか疲れたとは感じませんでした。

調剤薬局を開業・経営するために

調剤薬局を開業するために大切な資金。物件の確保、設備工事、運転資金など、1000万円ほどあると良いでしょう。 収益として、保険請求する診療報酬が調剤薬局に入って来るのは3ヶ月後なので、最低3カ月から半年間ほどの運転資金は確保しておきましょう。 その間、自分自身は無休で過ごすくらいの覚悟で臨みましょう。 (私はその間、雇用保険の失業保険で過ごしました。) また、開業前に周辺住民の数、競合薬局の数など、あらかじめ調べておくことも大切です

開業後の人間関係にも注意しましょう。 調剤薬局は女性が多いため、問題が起きやすいと言えます。 常に気を配り、人間関係のトラブルを見て見ぬふりはしないよう、また、新しい人間を雇い入れる時は、現在の従業員との相性を鑑みて採用しましょう。


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