製薬会社でMRとして働く薬剤師の年収

製薬会社でMRとして働く薬剤師の年収

私は薬学部を卒業後に調剤薬局に勤務しました。仕事は楽しかったものの、職場内の人間関係の狭さに微妙に息苦しさを感じ、そして慣れた頃に給料にも少し不満を持つようになりました。そんな中、薬局に営業に回ってくるMRさんの仕事をしてみたいと思うようになりました。「The 営業マン!」という感じでビシっときまったスーツやテキパキと勤務する姿に憧れを持ち、3年目に中堅の製薬会社にMRとして転職したのです。

調剤薬局薬剤師から企業のMRへ転職

(転職活動を行ってみて、新薬の開発に携わる研究職とは異なり、MRの場合は出身大学(私立か国立か、など)や出身学部を問わない、比較的就職しやすい職種だと感じました。)企業に就職して、仕事内容は大きく変わり、年収も大幅に上がりました。一般的に企業の年収はその他薬剤師が就職する職場と比較すると高い傾向があるようです。調剤薬局は約400~500万円、ドラッグストアは約500~700万円、病院は約400~700万円、そして企業は約400~800万円以上と、長く務めた時の昇給が他の職場よりも大きいのです。

製薬会社の中の職種で比較すると、研究職は約600~700万円、開発職や学術などが約500~600万円、MRが約550~950万円となっており、かなり差があります。MRは他の職種よりもボーナス比率が高い傾向にあり、その上、営業で成績を上げることができればかなりの高年収を得ることができます。また、企業は福利厚生(通勤手当、住宅手当、育休制度など)が充実していますし、医薬品を扱うこの業界は不況にとても強く安定しています。

MRの年収が高いのには理由がある

しかし、確かにMRはその他の職場で働く薬剤師さんより年収が高いのですが、高いには高いなりの理由があり、その人の性格で合う合わないが分かれる職種だと思います。MRの仕事は製薬会社の薬の宣伝、患者さんの症例に対して自社の製品がいかに効果が認められるかの情報提供を行い、治療に役立ててもらうよう医師や薬局長に営業を行います。

自社商品の情報だけではなく、最新の論文・研究も合わせて情報提供し、その有効性を納得してもらってやっと薬が採用されるのです。自分自身も日々進歩している最新医療の知識を勉強し続けて医師に提供しなくてはならず、大変な日々ですが、医者から頼りにされるMRになってこそ一人前です。

医師に会うために順番待ちのMRの大行列に並び、看護師さんや事務の方にも顔を知ってもらう努力をしなくてはなりません。規制が入ったことで、昔ほど派手な接待を行うのは厳しくなりました。しかし、今だに営業職と接待は切っても切れない関係で、抜け穴はいくらでもあるんです。企業が費用を全額負担するゴルフ接待はダメですが、費用を折半するゴルフコンペは大丈夫だったり、研修の慰労会などと名前を変えたり、その中ではパワハラ・セクハラがチラホラ。

また、転勤がかなり多く、私はまだですが、私の上司は、千葉県⇒北海道⇒東京⇒福島⇒神奈川・・・と2-3年スパンで転勤しており、仕事がデキる人ほどスパンが短いのだとか。年収も高い、やり甲斐も十分感じられる、プライベートが削られるというデメリットもありますが、MRとしてこれからもガンガン働きたいと思っています。


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