薬物療法専門薬剤師を目指して日々励んでいます。
私の母は身体が弱く、私が小さい頃からたくさんの薬を飲んでいました。自分が風邪を引いた時に「これを飲みなさい。」と母に言われた薬は母のとは違い、母が飲んでいる薬の効果って何だろう?という疑問を持ったところから薬学に、そして薬剤に興味を持つようになりました。母の体調を維持するために不可欠な薬のメカニズムを知りたいと思い薬学部へ進学し、そしてそのままチーム医療に力を入れている大学附属の病院へ入職しました。
チーム医療に力を入れている病院でやり甲斐のある毎日
薬剤師の立場が低く、薬剤師が意見を言うと「薬剤師の意見なんか聞いていない!」などと医師に怒鳴られる、というような病院もあると聞きましたが、私の病院は医師・看護師だけでなく、薬剤師・技師などのコメディカル、医療事務さんに至るまでの異職種であってもお互いに尊重しあう文化があり、萎縮することなく意見を述べ合い、時にぶつかることがあってもその都度話し合えます。チーム医療に携わっていく中で、知識の面でも、人間性の面でも「この人に相談しよう。」と、他の医療従事者にも患者さんにも頼ってもらえるような薬剤師を目指しています。
薬物療法専門薬剤師になるには
そして現在の目標として、薬物療法専門薬剤師を志しています。薬物療法専門薬剤師とは日本医療薬学会が認定している資格で、ある特定の分野に特化した薬剤師ではなく、幅広い領域で高度な薬学的知識・技術・技能、臨床能力を兼ね備えた薬剤師を認定するために2012年に設立されたばかりの制度です。チーム医療を進めていく上で、医薬品のプロとして医師や看護師と協同して高レベルの薬物療法を実践することにより、ひいては患者さんのQOLの向上にも寄与できる薬剤師です。
認定薬剤師制度との違いは、薬物療法専門薬剤師の方がより臨床能力を問われます。このため、薬物療法専門薬剤師研修施設(2016年現在213施設)が認定され、研修コアカリキュラムも新たに作成されています。申請資格は、①薬剤師であること②薬剤師として実務経験が5年以上③申請してから5年以上は日本医療薬学会会員であることを継続する④認定薬剤師であること⑤薬物療法専門薬剤師研修施設で研修コアカリキュラムに従い、5年以上の研修を行う⑥薬物療法についての講習会を5年間で50単位以上履修する⑦5年間で薬剤管理指導の実績を(16領域中)4領域以上の疾患について50症例提出する⑧学会誌や学術雑誌に論文を3編以上掲載されること&学会発を3回以上行う⑨薬物療法専門薬剤師認定試験に合格する
(詳しくは日本医療薬学会のホームページに記載されています)資格は5年間有効ですが、更新のために資格更新のためにその5年間にさらに薬剤管理指導50症例の提出&薬物療法についての講習会に出席して50単位以上履修が必須条件で、資格取得も資格の更新も厳しい要件になっています。常に医療の最先端にいて、情報収集とスキルアップに務めなくてはなりません。まだまだ経験もスキルも足りていませんが、自分の中の憧れの薬剤師像に近づくために薬物療法専門薬剤師の資格取得のために邁進するつもりです。
病院 (28歳男性)