薬局経営者の収入を聞いて自分も志すものの断念
私は薬学部を卒業後に都内の調剤薬局で勤務し始めました。オーナーが薬剤師として働いている店舗で、経営者が同僚というのは気を使ってしんどいのではないか、と心配していましたが、とても気さくで心配りが出来る方だったのでそれも杞憂に終わりました。
勤務している調剤薬局の社長の話を聞いて独立を考える
オーナーは調剤薬局を5店舗経営しており、常時薬剤師は30-40名雇い(医療事務20-30名ほど)、年収は約3000万円!(これ以上は税務署が認めてくれないという裏事情がありました!)他に飲食代、交通費、交際費、趣味のゴルフにガソリン代、年間400万円、車(1台はベンツ)etc・・は経費として計上し、全部合わせると、年収4000万円程なんだそうです!
(飲みに誘ってもらった時に、酒の勢いを借りて聞いてしまいました。)飲んでいた時に、同じく薬局の経営者だという男性にお会いしてちょっと挨拶したのですが、街で会ってもきっと気付かないくらいの目立たない男性(失礼ながら、普通の冴えないおっさん)に見えたのですが、うちのオーナーの目算では年間3000万円ほど稼いでいるらしく、高級外車を持ち、高層マンションも所持しているらしいです。飲み会代も全部支払って下さり、経営者ともなるとこんなにリッチな生活が出来るのかと憧れ、いつかは私も独立してサラリーマンから社長となり、大幅な収入アップを目指したい!と思いました。
経営者になるメリット&デメリットを考えて断念
しかし、その気になってインターネットを駆使して色んなサイトを見て開局についての情報を調べた結果・・諦めることにしました。まずは資金、どんなに小さな薬局でも1000万円から1500万円は必要らしいのですが、そんなお金も銀行から借り入れできるような担保も私は持ち合わせていません。
さらに、薬剤師飽和時代が来る来る、とか言われている割には、実際には現在、薬剤師を確保すのはかなり困難だそうです。また事務員(医療事務)は割とすぐに見つかるらしいのですが、経験豊富な保険診療報酬を熟知した医療事務さんはなかなかいないのだそうです。
「医療事務の勉強て資格は持っていますけど、実務経験はありません。」などと言う方が大半らしく、正直あまり役に立たない(テキストと実務は別物)。他にも経営者は、経営が軌道に乗るまで膨大な雑務(薬の仕入れ、在庫管理、経理、従業員の教育、人事・・etc)に追われます。開業を約束している医師がいるなどの人脈も持ち合わせていませんし、経営の知識もありませんし、開設予定地の周囲の地域の調査なども必要なようです。どうしてもそこまでするヤル気は湧いてきませんでした。
それより、収入アップを果たしたいのであれば地方に移住して薬剤師をする、というのが1番簡単そうです。求人サイトを見ていると、地方は人材不足の影響で年収700-800万円という高額の職場を割と見かけます。薬局経営で収入を得るよりよっぽど楽そうなので、私はこちらを選択しようかな、と思っています。薬局経営は成功すれば年収うん千万、失敗すれば借金まみれ。利益を上げるのはなかなか難しいようです。
調剤薬局勤務 (26歳男性)