専門薬剤師の給与待遇・仕事内容の魅力と、資格取得方法

専門薬剤師の給与待遇・仕事内容の魅力と、資格取得方法

専門薬剤師とは、各専門領域の医学や医療の知識、薬物治療の高度な知識と技能を持つ資格保有者の事を指します。主な業務は、医療スタッフに最新の薬学情報を伝達し、患者さんへの効果的、且つ安全に治療出来る様に指導を行います。調剤薬局やドラッグストアではあまり必要としない高度な薬剤の知識を用いるので、キャリアアップを行ないたい方に最適な働き方です。

生涯学習が必要とされる薬剤師ですが、努力の評価でありキャリアの発展にもなるのが認定薬剤師や専門薬剤師などの資格取得です。資格を持つ薬剤師ともなれば一般的な業務だけでなく、より専門的で責任ある仕事、指導者としての仕事を任されることでしょう。

現在はがん専門薬剤師、精神科専門薬剤師、HIV感染症専門薬剤師、妊婦・授乳婦専門薬剤師、感染制御専門薬剤師の5種類の専門薬剤師が存在し、それぞれの分野でニーズが高まっています。

専門薬剤師になるためには、まず前段階として各領域での認定薬剤師の資格を取得する必要があります。専門知識や業務経験に加えて、実技研修や講習会の参加、症例報告、学会発表、論文提出、そして認定試験を経てはじめて専門薬剤師になれるのです。

晴れて専門薬剤師になると、これまで以上に大きなやりがいのある仕事に就くことができるでしょう。給与にも反映され、一般的な薬剤師よりも年収アップが見込めます。医療の発展に伴って、今後いっそう評価が上がっていくことが期待されています。専門薬剤師の取得を目指したい、今ある資格をもっと活かしたい、そんな希望を叶えるには?資格取得支援のある職場や専門薬剤師を歓迎する職場を、求人サイトで効率良く探しましょう!

専門薬剤師資格の取得をもつと、可能になる業務にはどんなものがあるか

薬剤師は日々の業務をこなすだけでなく、生涯研修による常日頃の努力や最新の医療状況や社会のニーズに沿った業務の向上を求められます。しかし、明確な目標を持たずに学習を続けても、モチベーションの維持が難しいかもしれませんね。

そんな中で、知識や経験を重ね自己研鑽に励んだことを客観的に評価・証明される、認定薬剤師を取得することは大きな励みとなるでしょう。かかりつけ薬剤師制度では認定薬剤師の取得が必須条件になるなど、医療制度の側面からも取得が期待されています。

認定薬剤師の取得後もさらに薬学的専門知識を深め、特定の疾患や病態等への研究活動や他の薬剤師や医療スタッフへの指導を行う能力があると認められれば、『専門薬剤師』として活躍することもできます。

専門薬剤師は特に病院業務において、チーム医療の中で大きな責任を担う存在として求められています。一般的な調剤業務のみならず、薬のエキスパートとしての立場で薬物療法の方針を医師と協議し、治療効果の評価に取り組んでいきます。

さらには治療の成果を研究し学会や論文などで報告する、後輩の薬剤師や薬学生、他の医療スタッフへの指導・教育することも業務の一環です。このように専門薬剤師は、安全かつ有効な薬物療法を遂行する上で重大な役割を果たすことができるのです。

がん専門薬剤師、精神科専門薬剤師、HIV感染症専門薬剤師、妊婦・授乳婦専門薬剤師、感染制御専門薬剤師。それぞれの紹介。

薬剤師の資格の中でも唯一「広告ができる」専門資格として認められたのが、がん専門薬剤師です。適切な抗がん剤の選択や副作用への対策、さらには痛みの緩和ケアに精通し、がん治療の発展において重要な役割を受け持ちます。

精神科領域の薬物に特化した知識を持ち、学会発表の経験もある薬剤師が認定されるのが精神科専門薬剤師です。入院患者だけでなく、退院された患者さんの社会復帰を支援すべく、ライフスタイルに合わせた服薬指導や、患者家族・地域の方々への情報提供も行います。

日本では依然として毎年多くのHIV感染者が報告されています。HIV感染症専門薬剤師の認定を受けた人数は数十人と、未だ少数ではありますが、より高度な薬物療法の知識や倫理観を持った貴重な薬剤師として今後も需要が高まることでしょう。

妊婦や授乳婦は治験の対象外であることから、妊娠・授乳中の薬剤の安全性に関する情報は少なくなりがちです。母体と赤ちゃんの健康を守り、女性の不安を取り除く妊婦・授乳婦専門薬剤師の存在意義は非常に大きいものとなっています。

免疫力が低下した人が集まる病院などの医療機関では、MRSAなどの医療関連感染への対策は必要不可欠です。感染制御専門薬剤師は消毒薬や抗生剤の適正使用を推進し、院内感染の防止や地域の医療・介護の現場の支援、ICU患者の処方提案などに貢献しています。

専門薬剤師になるには、まずは認定薬剤師の資格(認定申請資格)が必須。

専門薬剤師になるには、まず前段階の認定薬剤師の資格を取得し、研究活動や症例報告などを重ね、さらに認定試験に合格して資格を取得しています。指導者としての能力も求められ、どの専門薬剤師でも難易度は高いものとなっています。

認定薬剤師は各専門領域の薬物に関する知識や技術が求められることは言うまでもありません。その上で薬剤師としての実務経験が一定年数あり、日本病院薬剤師会が提示する資格を満たす必要があります。

日本病院薬剤師会が指定する研修施設での実技研修を履修し、所定の講習会も必要単位数を履修します。一定数の服薬指導症例や認定試験の合格、さらには勤務先からの推薦もあってはじめて認定薬剤師の資格申請ができます。

認定薬剤師になった後、全国レベルの学会や国際学会での各領域に関する発表、学会誌や学術雑誌への論文掲載を行い、さらに試験を合格してようやく専門薬剤師の資格を得ることができるのです。 資格取得後も5年ごとの更新があります。その間にも講習会の出席や学会発表または論文掲載が必要となり、専門薬剤師はまさに生涯研修の象徴であり、名実ともに薬のエキスパートと言えます。

専門薬剤師取得のメリットは?給与・仕事のやりがいなど。

専門薬剤師になると、臨床現場だけではなく大学や製薬会社、研究機関からも需要があり、ステータスが高い職場に勤める人も多いでしょう。治療方法の研究や開発分野でその実力を活かすことができるのです。

給与は職種によって異なりますが、製薬会社などの専門薬剤師は一般的な薬剤師の年収よりも多く700万円以上が相場のようです。管理職ともなると大幅に増え、1000万円近くにもなる場合があります。

ただ、病院勤務では手当などは支給されますが、そこまで大きな給与の差がないのが現状です。給与面よりは、医師や他の医療スタッフとも対等な立場で仕事ができる、専門性を発揮してより高度な医療への貢献を実感できるといった、やりがいの面での意義が大きいでしょう。

専門薬剤師は指導者としての能力も有することから、薬学部及び薬科大学での教員としての活躍も望まれています。教員採用にあたって実務経験者を募集する大学は多数あり、専門薬剤師が今後の薬剤師の育成に重要な存在となり得るでしょう。

認定を取得するのに年数がかかり労力が大きいことから、専門薬剤師そのものの数がまだ多くないことから、評価が充分でない側面はあるかもしれません。しかし医療の発展に伴い、今後ますます専門薬剤師の必要性は上がり、給与や待遇の改善も期待されます。

専門薬剤師取得支援のある求人、資格保有者優遇の求人の探し方

薬剤師過剰の時代が来るとも言われる近年、今のうちに専門薬剤師を取得して他の薬剤師と差をつけたい、でも今の職場では難しい。あるいはせっかく努力して資格を取ったのに、正当な評価を受けていないように思える。そんなお悩みはありませんか?

また、既に認定薬剤師や専門薬剤師などの資格を持った薬剤師の方も、より条件の良い職場、資格を活かせる職場を転職サイトで探してみてはいかがでしょうか。責任のある仕事をする上で給与・待遇の改善はモチベーションを上げてくれることでしょう。

病院だけでなく、調剤薬局やドラッグストアでも資格を有する薬剤師は歓迎され、好条件での採用も見込めます。大幅な年収アップと仕事のやりがい、両方が叶うかもしれません!


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