新人看護師よりも退職者が多いのはなぜ？看護師の離職率について

看護師の人手不足がかなり深刻な問題となっていますが、現場では改善されるどころか現状が悪化している病院もあり、看護師がパンク寸前状態になっているところもあります。

看護師は女性が多い職場であることも特徴ですが、離職率もかなり高いことで問題になっています。 毎年看護師免許を取得するための国家試験が行われ、新人看護師が誕生しているのにも関わらず看護師不足の問題は深刻化しているのです。

今回は問題となっている看護師の離職率について紹介していきますのでぜひ、参考にして見てください。

看護師の離職率は高く人手不足を進行させ続けているのが現状

看護師の離職率は毎年10％以上とも言われており、かなり高い数字で深刻な問題となっています。そして離職率の高さと比例して医療現場での看護師の人手不足も問題となっているのです。なぜ離職率が進行し人手不足の現状が起きているのでしょうか。

その原因として職場環境が挙げられます。日本は少子高齢化が急速に進み、そのスピードはとどまることを知らず進み続けている現状です。現在では高齢社会であり入院患者の半分以上が高齢社ということが現場で起こっています。

急速に進んだ高齢化により看護師の数が追いついておらず、毎年新人看護師が誕生しているのにもかかわらず離職率は下がらないので、看護師不足は解消されないのです。解消されないどころか、離職率は毎年増え続けており看護師の数自体が減ってしまっているのが現状です。

そして高齢化とともに少子化も進んでいるため、これからの医療をになっていく若手の数自体が少ないため新人看護師の数も必然的に減っていき看護師の人手不足の問題は進行していくばかりです。

現場で働く看護師の数は少なくなっていますが、看護師免許を持っている人の割合で見ると70万人ほどいると言われており、潜在看護師は増え続けているのです。これらの潜在看護師の10％ほどが復職することで看護師不足の問題は解決すると言われていますが、復職を考えていても実行できていない人なども多いのです。

看護師を辞める理由として結婚や出産などが上位に上がっている

医療現場では看護師の人手不足が深刻な問題となっていますが、看護師を辞める理由としてはどのようなものが多いのでしょうか。

看護師を辞める理由として多いものは、結婚や出産などのライフイベントが上位に上がっています。女性が多い職場であるため当然、ライフイベントでの退職や休職も多くなってしまいますよね。しかし、結婚や出産をしても看護師が不足している状況が続いているのだから辞める必要はないのではと思った人も多いと思います。

看護師の現場では人手不足が深刻な問題となっているため、やめたくてもやめられないというのが現実です。転職のためにやめたいなどと相談すると必ず引きとめられ退職を認めてらもらえないことが多いのです。

人手不足の現場では看護師1人あたりの業務も増え、毎日残業で帰れないという職場環境に対して不満を持っていたり、そのような生活に対して健康面での心配をしている人も多いのです。自分の健康を犠牲にしてまで看護を行うのは矛盾しているように感じてしまいますよね。実際のところ職場環境などに関してやめたいと思っていた人が、辞める理由として結婚や出産を理由にして辞めていくということが起きているのです。

看護師を辞めた人の多くは復職せずに潜在看護師になっている

結婚や出産を機に看護師を辞めた人たちは、辞めた後はどうしているのでしょうか？。看護師を辞めた人の多くは復職をぜずに潜在看護師になっている人が多ようです。出産でやめた人の中にはしばらくは子育てに専念したいと考えている人も多いようですが、結婚後に辞めた人まで復職を考えていない人が多いのです。

看護師を辞めた人の中には、今までの仕事のストレスや緊張から解放されたことにより、何も手がつかないなどのバーンアウト症候群の症状に悩まされている人もいるようです。看護師時代は毎日業務に追われてストレスを感じながら働いている人が多く、業務の多さから疲労が加わりメンタルの不調をきたしてしまうのです。辞めた後にメンタルの不調をきたしてしまうことで復職ができない状態の人もいるのです。

看護師を辞めた人の中には先ほど上がっていた理由以外にも色々な悩みを抱えている人もいますが、約3分の2以上の人は機会があれば看護師として働きたいと考えているようです。辞めた人の中には今後は看護師として働く気がないという人もいます。

今は潜在看護師となっていますが、いずれ看護師として復帰したいと考えている人は意外にも多いのです。

看護師として復職したい人は以前と違う職場を希望する人が多い

看護師を辞めた潜在看護師の中には復職をしたいと考えている人も多いですが、どのような職場を希望している人が多いのでしょうか。

看護師として復職したいと考えている人の多くは、以前とは違う職場環境で働きたいと考えている人が多いようです。結婚や出産により以前とは家庭環境の変化もあることが考えられ、家庭と仕事の両立ができるクリニックなどを希望する人が多いです。

病棟での勤務は日勤のみであっても残業があったり、休日も不規則な場合があります。また、忙しい現場であれば子供の体調不良によって急な休みになってしまった時は迷惑をかけてしまうという罪悪感を感じてしまうためゆっくりした環境で働きたいと考えている人が多いようです。

また、病院にこだわらず老人健康施設やデイサービス、特別養護老人ホームなど施設で働きたいと考えている人も増えてきています。施設であれば比較的ゆっくりとしているので復職する看護師にとって働きやすいと人気が高いです。

ブランクを克服して看護師として復職するためには求人探しが重要

看護師を辞めてから長いこと時間が経っているという人はブランクもあるため、復職が不安だという人も多いですよね。人手不足が深刻な医療現場では、指導が必要な看護師よりも即戦力となる看護師を採用したいというのが本音です。

求人の中にはブランク歓迎などの表記がありますが、実際に入ってみると指導もしっかりしてもらえずイメージと違ったということもあるのです。せっかく看護師として復職するなら慣れるまで指導もしっかりしてもらえるようなフォロー体制が整った職場で働きたいと思いますよね。

インターネットなどで募集されている求人の内容だけでは、病院の内情まではわからないことも多く不安を解消できずに就職活動を進めることになってしまいます。そんな時に便利なのが、看護師専門の転職サイトです。転職や復職に関してサポートをしてくれる担当者が細かくアドバイスをしてくれるので安心して進めることができます。