慢性疾患の患者をサポートする慢性疾患看護専門看護師の役割とは？

最近では生活習慣病などの慢性疾患を抱える患者さんが多くなってきましたが、慢性疾患は少しずつ進行して治りにくい病気です。

入退院を繰り返すことが特徴で長期的な視点を持った治療が必要になります。

慢性疾患は本人だけでなく周りの家族のサポートも必要になる疾患ですが、慢性疾患の患者さんをサポートする慢性疾患看護専門看護師はどのような役割があるのでしょうか？

慢性疾患の患者をサポートする慢性疾患看護専門看護師とは？

慢性疾患の患者さんをサポートする慢性疾患看護専門看護師とは、どのような看護師なのでしょうか？

慢性疾患看護専門看護師とは、慢性疾患の患者さんのサポートを行う看護師のことですが、病気の経過の管理や健康増進、日常的な療養支援などを行うことが主な役割です。

慢性疾患は、糖尿病や高血圧症などの生活習慣が原因で起こるものや、関節リウマチのような自己免疫疾患など、少しずつ進行して治りにくい病気であることが特徴です。そして、治療のために何度も入退院を繰り返し、長期的な視点に立った治療が必要になります。

治療の中には、生活習慣を見直し意識を変えていくことも必要であり、慢性疾患を抱える患者さんやその家族は精神的なストレスも大きいため、心理的なサポートも重要になるのです。

慢性疾患看護専門看護師は、患者さんの慢性疾患に対して専門的な知識と高い看護スキルを活かして看護ケアを提供することだけでなく、患者さんとその家族を支えることも大切な役割なのです。

慢性疾患は一生付き合っていかなければならない病気であり、生活習慣病は増加傾向にあるため、慢性疾患看護専門看護師の役割はこれらからも重要になるものと言えます。

慢性疾患看護専門看護師として働くために必要な資格とは？

慢性疾患看護専門看護師として働くためにはどのような資格が必要になるのでしょうか？

慢性疾患看護専門看護師として働くためには、最低限の条件として看護師免許を取得していることが条件となります。准看護師の免許では取得できないため、准看護師の人は看護師免許の取得から必要になるため注意してください。

看護師免許を取得後、5年以上の実務経験とそのうち3年以上は慢性疾患看護の分野での実務経験が必要になります。そして、看護系大学の大学院修士課程において日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準所定の26単位または38単位を取得していることが必要です。

慢性疾患看護専門看護師になるための専門看護師教育過程の認定を受けている教育機関は2015年現在で次の24院となっています。38単位教育機関は11院、26単位教育機関は13院であり、慢性疾患分野の教育過程を用いている大学院は24院しかなく、大都市に偏っている傾向も高くエリアによっては資格取得のハードルが高いことが考えられます。

慢性疾患看護専門看護師の認定審査の合格率は約80％ほどであり、高い合格率となっていますが、慢性疾患看護は幅広い領域を扱うので、しっかり勉強をしないと取得することが難しい資格となっています。

慢性疾患看護専門看護師の仕事内容と求められるスキルは？

慢性疾患看護専門看護師の仕事内容や求められるスキルはどのようなものがあるのでしょうか？

慢性疾患看護専門看護師の仕事内容は、慢性疾患の患者さんとその家族と一生になって生活習慣の改善や療養計画を考えるなどの看護ケアになります。慢性疾患看護専門看護師の仕事の範囲は幅広く、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病をはじめとし、呼吸器病、消化器難病、循環器病、腎臓病、アレルギー性皮膚炎などの様々な慢性疾患の療養をサポートします。

多くの慢性疾患は長期的な視点で考え、生活習慣の指導や治療に疲れてしまった患者さんの心理的なサポートなども慢性疾患看護専門看護師の役割になります。

また、患者さんへのケアだけでなく、部署内で高い質の看護ケアを提供するための教育や指導、スタッフの相談役、勉強会の主催など幅広い活躍ができる資格となっています。

慢性疾患の患者さんの療養には難しい問題が立ちはだかることも多く、その問題との関わりについて悩んでしまう看護師もいます。そのような時に経験と知識が豊富な慢性疾患看護専門看護師が少しでも解決の糸口となるアドバイスをすることも役割の一つです。

慢性疾患看護専門看護師に求められるスキルは、患者さんへの細やかな配慮ができ、コミュニケーションをうまくとれることが大切になります。慢性疾患の患者さんは長期的な治療になるため、長くサポートをしていかなければなりません。 患者さんと家族とより良い関係を築くことが、サポートを行う上で重要な役割となってきます。

慢性疾患看護専門看護師が活躍している職場環境とは？

慢性疾患看護専門看護師が活躍している職場とは、どのような場所があるのでしょうか？

慢性疾患看護専門看護師が活躍している職場は、総合病院の慢性病棟や外来、クリニックなどが挙げられます。慢性疾患は入院よりも外来治療が中心であるため、外来で診察介助する看護師が主な活躍の場となります。

慢性疾患看護専門看護師の資格を持っていることで、総合病院以外にもクリニックなどの幅広い施設での転職が有利になります。現在、151人の慢性疾患看護専門看護師が全国で活躍していますが、多くの病院やクリニックで活躍をしています。

また、慢性疾患の病状は多岐にわたるため、活躍できる診療科も消化器内科、神経内科、循環器内科など多様になっています。患者さんへの対応だけでなく、院内外においてケアの提供者への慢性疾患に対するコンサルテーションや教育活動を行なったり、患者の退院調整や療養生活における地域医療や福祉関係者などとの連携、調整を行ったりします。

慢性疾患看護専門看護師の中には大学の教員として、専門看護師の教育に携わっている人もいますが、慢性疾患患者さんの数は増加傾向であるため、慢性疾患看護専門看護師のニーズはますます高まることが予測されており、活躍の場も広がってくるでしょう。

慢性疾患看護専門看護師の待遇が良い求人の見つけ方は？

慢性疾患看護専門看護師として働くために待遇が良い求人の見つけ方は、どのようなものがあるのでしょうか？

慢性疾患看護専門看護師は看護師のキャリアアップの資格になりますが、資格手当などは病院によって様々です。中には手当が出ないという病院もあり、キャリアアップを狙っていた看護師にとっては望んだ結果ではなかったということもあります。

しかし、病院によっては専門看護師が優遇され手当も支給される病院もあるため、待遇が良い求人を見つけることがキャリアアップの実現に繋がります。

慢性疾患看護専門看護師の待遇が良い求人を見つけるためには、看護師向けの転職サイトでコンサルタントに相談することが確実な方法です。そして、病院だけでなくクリニックや外来など、今までと違った働き方についても相談することができるので安心して転職することができます。