看護師不足は解消まだまだ解消されない!?看護師不足の原因について

看護師不足は解消まだまだ解消されない!?看護師不足の原因について

医療現場での看護師の数が不足しているという問題は深刻になっていますが、現場では解決されるどころか不足する一方なのです。看護師は国家免許の専門職であり、毎年何十万人もの新人看護師が誕生しています。

毎年新人看護師が増えているはずなのに、看護師の数は減っているという背景には看護師の離職率や、離職の原因などがあるのです。

また、最近では看護師免許を持っているけど看護師として働いていない、潜在看護師の増加も問題となっています。今回はそんな看護師不足の原因について紹介していきますのでぜひ、参考にしてみてください。

医療現場では看護師不足が深刻な問題となっていますが、その原因として離職率の高さが指摘されています。また、夜勤などの勤務形態や労働環境、お給料などの不満から看護師を辞めてしまう人も多いのです。退職の理由として多いものが人間関係ですが、女性が多い職場であるため複雑な人間関係になってしまうことも多く、イジメや嫌がらせなどの理由で退職してしまう看護師も多いです。また、看護師不足は地域にも関係しており、病院が多い都心部では看護師の数は多いけど看護師不足が問題となっているところもあります。最近では、看護師の国家免許を持っているけど看護師として働いていない潜在看護師が増加しており、潜在看護師の復職をサポートしている病院も増えてきています。出産や結婚を機会に看護師を退職して復帰をしたいと考えている潜在看護師も多いので、研修制度や教育制度の充実を図っている施設や病院も増えてきています。

看護師は地域別によってどれくらい差があるのか?


看護師の国家免許は日本全国共通のものであり、免許があれば都道府県関係なく働くことができますよね。実際には、全国の地域別で見た時にどれくらい差があるのでしょうか。


看護師の数が一番多い都道府県は、東京都です。その次が大阪府、神奈川県、北海道、福岡県となっています。具体的な数では、東京都では8万人、大阪府は6万人、神奈川県は5万人、北海道は50万人、福岡県は4万人となっています。

全国の平均的な看護師の数は2万人となっており、都心部にかけて人数も多いことがわかります。都心部では病院の数も多く、比較的お給料も高いところが多いため、都心部での就職を目指す人が多いことも理由として挙げられます。

逆に看護師が少ないと都道府県では、鳥取県が一番少ないという結果になっています。その次に、山梨県、島根県、福井県、徳島県という順位になっており、具体的な数字では、鳥取県が5千人、山梨県が6千人、島根県が7千人、福井県が7千人、徳島県が7千人です。

一番多い東京都と比較すると10倍もの差があることが分かります。全国平均と比較してもかなり数が少ない結果となっています。都心部よりは病院の数は少ないとはいえ、患者さんの数は変わりないところもあるため、看護師が少ない地域では看護師1人あたりの負担も増えてしまっているのが現状です。

看護師が多い都心部でさえ、十分な看護師の数を確保することができていない状況の中で、都心から離れた地域ではもっと看護師不足が深刻な問題となっているのです。

毎年看護師は増えているのに不足している原因とは?


毎年国家試験を合格して新卒で入社する看護師は約5万人と言われています。毎年看護師の数は増えているのになぜ、現場では看護師不足が問題となっているのでしょうか。

看護師不足が深刻化している背景には、7対1の看護配置が考えられます。この7対1配置とは、入院患者7名に対して看護職員を1名配置する制度や体制を指します。7対1配置が推奨された目的は、より質の高い看護ケアを患者さんに提供するというものですが、これにより看護師不足が深刻となっているのです。

7対1制度の看護配置によって、看護師が多く配置されるため患者さんへの質の高い看護を提供することができる、離職率を高めていた過重労働が緩和される、病院側は入院基本料が加算されて収入がアップするというメリットがあります。

しかし、大きなデメリットもあるのです。7対1の看護配置を守ることで病院側の収入が増えることでたくさんの看護師を確保する病院や、病床数を減らして運営する病院や施設も増えててきたのです。

また、看護師の数を増やしても人件費を増やすことはせず、看護師の給与水準を下げたり、サービス残業や業務量の増加などの問題も増えて看護師不足のきっかけとなっているのです。

このような7対1の看護配置が看護師不足の大きな原因として考えられています。

看護師の離職率が高くなってしまう原因はどこにあるのか?


看護師は離職率が高い職業と言われていますが、その原因はどこにあるのでしょうか。


看護師の離職率が高い原因は、女性が多い職場ということが関係しているようです。特に出産や結婚などをきっかけに職場を離れる人が多く、一度離職してしまうと復帰するまで時間がかかります。

また、夜勤などのもあるため過酷な労働環境が離職を促進させてしまっていることも考えられるのです。夜勤があると家庭と仕事の両立も難しく、不規則な生活であるため体力的にも辛いと感じる人が多いのです。

そして、看護師の職場の9割ほどが女性という女性が多い職場ならではの複雑な人間関係も離職率を高めている原因となっています。新人に対するいじめや嫌がらせ、厳しい指導などにより新人の離職率も高く、定着しないことも問題となっています。

免許は持っているけど働いていない潜在看護師が増加している


看護師の中には国家免許を持っているけど、現場で看護師として働いていないという潜在看護師という人も多いのです。なぜ潜在看護師が増えてきているのでしょうか。


潜在看護師とは子育てや介護などの理由で離職し、働いていない看護師のことを指します。平成24年のデータでは看護師として働いている人は150万人ほどであり、潜在看護師は約70万人ほどという結果が出ています。

数字で見るとかなり多い数になりますが、約70万人もの人が看護師免許を持っていながら看護師として働いていないということです。この潜在看護師が増加している背景として、看護師不足による過重労働や夜勤などの勤務形態などの労働環境、労働条件により復帰する人が減っってしまっていることが考えられます。

実際に、病院のフルタイムの勤務では夜勤などもあるため子育てとの両立は難しく、復帰したくても復帰できないという看護師も多くいるのです。

潜在看護師の復職へのサポートを行なっている病院も増えている


そろそろ子育てが落ち着いたから看護師として復職したいと考えいる人も多いと思いますが、最近では潜在看護師の復職をサポートする動きが活発になってきています。実際に、約70万人の潜在看護師が復帰することで看護師不足は解消できるという見解もあり、看護師不足を解消するためには免許を持って経験がある潜在看護師に復帰してもらうことが一番の近道なのです。

病院によっては、出産などによって離職したスタッフが復帰しやすいように病院内に保育園を併設したり、日勤のみの勤務で働いてもらうなど復職しやすいような職場環境作りに取り組んでいるところも増えてきているのです。

ブランクがある潜在看護師においては、研修制度を充実させ教育体制やフォロー体制を整え受け入れられるような動きが目立ってきています。


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