看護師のキャリアアップ!専門看護師になると給料は上がる?
看護師としての業務にも慣れ、資格取得などのキャリアアップを考えているという人もいるかもしれません。資格を取ることで給料アップを狙っている人も多いのではないでしょうか。
看護師のキャリアは経験年数が問われることが多いですが、専門看護師という専門分野を専門的に勉強したいと考えている人のための資格があります。
専門看護師になると給料は上がるのかなど気になっている人も多いと思いますので、今回は専門看護師の給料について紹介してきますのでぜひ、参考にしてみてください。
目次
専門看護師とは、特定の分野において専門性の高い優れた実践看護能力がある者として日本看護協会に認められた看護師のことを言います。日本では1996年に最初の専門看護師が誕生し、制度が始まって20年ほどの歴史があります。この専門看護師の制度は、日本看護師協会が日本看護系大学協議会と連携して運営している制度であり、日々進化する現代医療においてさらに水準の高い看護ケアを提供するために、専門分野の知識や技術の向上を備えた看護師を送り出すことを目的としています。専門看護師の資格を取得するには時間がかかりますが、実際には手当ては1万円〜3万円ほどのところが多く、年収が大幅にアップするということは少ないようです。
キャリアアップのために専門看護師の資格を取得したら給料は上がる?
専門看護師とはある分野において専門的な知識や技術を身につけた看護師のことを言いますが、看護師のキャリアアップの資格という認識をされています。キャリアアップを目指して専門看護師を取得したら給料はどれくらい上がるのでしょうか。
専門看護師の資格を取得した場合のお給料は、実はそれほど上がらないところが多いのです。病院や職場によっては資格取得手当てが付きますが、その金額も働く場所によって差があります。平均的には1万円〜3万円ほどと言われており、年収は平均500万円前後のようです。
専門看護師の資格を取得した看護師の70%ほどの人は、取得しても変化がないという結果が出ています。また、給料には反映されていないが、役職が上がった、役職がついたという人もいるようで、病院によって資格取得後の待遇は違ってくるようです。
また、病院の規模や地域、医療機関によって大きな差があるのが現状です。中には、専門看護師の資格を取得した後の方が、年収が下がってしまったという人もいるようです。理由としては、専門看護師として働く分野が日勤中心となる場合は夜勤に入る回数が減ってしまうことで夜勤手当が減り年収も減ってしまうというものです。
キャリアアップとともに年収の大幅アップを狙って資格を取得しようと考えている人は、資格取得後にイメージと違うということになるかもしれません。専門看護師の歴史はまだ浅く、処遇のあり方が確率されているわけではありません。そのため各病院や施設によって大きな差があるのです。
特定分野のスペシャリストである専門看護師の仕事内容とは?
特定分野のスペシャリストである専門看護師ですが、どのような仕事を行なっているのでしょうか。
専門看護師とは、英語でCNS「Certified Nurse Specialist」と表現されることも多く、特定の看護領域の知識や技術を有する人のことを指し、日本看護協会により認められた人しかなることができません。卓越した知識と技術を有していることで看護実践において頼りになる存在として多くの医療施設で重要な存在とされています。
専門看護師の仕事内容は、通常の看護業務はもちろんコンサルテーションやコーディネーション、教育、看護研究など様々な業務を並行して行なっていきます。特にコンサルテーションやコーディネーションは、部署やチームの看護技術の向上において非常に大きな役割を担っているため重要な業務です。
看護業務は今まで通りの業務と変わりませんが、より専門的な知識や観点から指導や看護を行い患者さんの入院生活のサポートを行います。専門看護師ということで家族や患者さんにより専門的な指導なども行なっていきます。
コンサルテーションは聞き慣れない言葉ですが、必要に応じてスタッフやチーム、部署を対象にカンファレンスや個人面接などを通して患者さんへの対応、ケアに対する悩み、仕事に関するストレスなどの相談に乗ります。専門領域の知識と経験を生かして、患者個人に対しても相談業務を行います。
コーディネーションとは、部署やチームが円滑に機能するように人員の配置や対人トラブルなどの解決を図り、他職種間、病棟間、部門間の関係調整などを行います。
看護研究は、各専門領域の知識と経験を生かして、看護技術の発展やケアの円滑化など病院内外の研究活動に参画し、看護の質向上を図ります。
このように1つの業務だけでなく、様々な役割を担っており患者さんだけでなく、スタッフ間の調整などのマネジメント業務を行なっていきます。
専門看護師として活躍ができる資格は色々な種類がある
専門看護師は専門的な分野を極めた看護のスペシャリストですが、どのような資格があるのでしょうか。
専門看護師として働ける分野は現在11分野となっています。この分野は制度委員会が認めるものに特定されているため、変化する看護ニーズに対して独立した専門分野として、知識や技術に広がり深さがあると認められたものになっています。
専門看護師として認められている11分野は、がん看護、精神看護、地域看護、老人看護、小児看護、母性看護、慢性疾患看護、急性重症者看護、感染症看護、家族支援、在宅看護となっています。
それぞれの分野で一番多い専門看護師は、がん看護専門看護師であり、その次は精神看護専門看護師になっています。在宅での療養が増え、がん患者さんの多様なニーズにも対応するため需要が高くなっているという背景も考えられます。
似ているけど違う!専門看護師と認定看護師の違いとは?
専門看護師と認定看護師は同じような資格だと思っている人もいるかもしれません。2つの資格の違いを見ていきましょう。
専門看護師は、特定の専門分野の知識や技術を深めることで看護問題の解決や高水準の看護ケアを提供し、看護学の向上を図るという目的があります。専門看護師には、職場の各調整やケア全体の向上を考えるなどのマネジメント要素が強いことが特徴です。
認定看護師は、特定の看護分野において熟練した看護技術と知識を用いて水準の高い看護ケアを提供することで看護の質を図る目的があります。専門看護師と比べると臨床に近いということが特徴です。
このようにそれぞれの資格の目的が違うのです。
専門看護師として転職や就職をするなら求人情報が重要になる
専門看護師の資格をすでに持っているという人やこれから資格の取得を視野に入れているという人もいると思いますが、転職や就職の際には求人情報が重要になります。
資格手当や取得支援金制度なども病院によって異なるため、看護師の転職サイトをうまく利用して情報収集を行うことが転職成功のポイントとなります。病院が出している求人内容には専門看護師などの情報までは記載されていないことが多く、直接聞かなければ分からないことが多いのです。
転職サイトを利用することで、忙しい看護師の代わりに情報を集めてもらえるので効率よく転職活動を行うことができます。