新人看護師の離職率について

私は地元でも大きめの総合病院で病棟勤務しています。もう５年目となり、それなりに職場のペースにも慣れてきました。そして、今年度になって初めてプリセプターとなったのです。

新人教育が行き届かず新人看護師の負担が増えて

私のプリセプティとなった女の子は専門学校を卒業したばかりの２１歳の女の子でした。本当に「女の子」と表現するのがピッタリくるような、何となく頼りない印象でした。何だか（申し訳ないのですが）微妙に嫌な予感がしたのを覚えています。

私の受けた印象は間違っていませんでした。新人看護師さんは誰しも緊張するのが当たり前ですが、その子は見てるこっちが痛々しいくらいに緊張していました。なるべく穏やかな口調で一貫して接するように心掛けてはいましたが、患者さんの命に関わるようなミスは少し強めに注意していました。（それでも人前で怒鳴り散らすようなことはしていません。）次回からそれを気を付けてくれれば・・と思っていたのですが、その子はそれをずーっと引きずっているような節がありました。

こんなに精神的な弱くて、よく看護実習をくぐり抜けられたなあ・・と思うくらい打たれ弱く、少しペースを上げるように頼むと「今までの自分ではダメなんだ・・。」と感じるのか、逆に固まってしまって動けなくなったり・・。今年は人手不足で新人研修がハイペースですぐに現場に放り込まれたような印象だったので、慣れるには時間がかかるかもなあ・・と、思っていた矢先、その子が勤務中に突然倒れたのです！原因は過呼吸でした。時間に追われて仕事をしていた時だったのでストレスが高まったのかもしれません。

「ご迷惑をおかけして本当に申し訳ありません！」と、泣きそうになりながら謝ってくるその子をなだめ、その日は少し休ませて、今日はもう帰って家でゆっくり休み、また明日来てね、と伝えました。が、それっきり、その子が戻ってくることはありませんでした。正直、あの子はペースの速い病棟勤務に向いていなかったというのもあるとは思うのですが、忙しさの余りプリセプターとして十分にサポートしてあげられなかったことを本当に申し訳なく思いました。

新人看護師が定着しやすい職場作りが必要

日本看護協会の調査によると、２００６年の１年以内に離職した新人看護師は９．２％！ただ、２０１０年以降に職場ごとに新人看護職員研修に力を入れることが努力義務化されたおかげか、新卒看護師の離職率は２０１１年度には７．５％にまで減少してきています。（離職率自体も４年連続で減少しています！）

ただ今後、１８歳以下の人口が年々減少している今の日本では新卒看護師の数も減少していくのは目に見えています。（現在新卒の看護師は年間約５万人です。）逆に社会の高齢化は今後も進み続け、後期高齢者は今後の１０年で２倍になると言われています。夢と志を持って入職してきた新人看護師さん達がドロップ・アウトしないよう、来年どの新人研修はもう少し丁寧に、そのためには人員を増やすように看護師長や部長に相談してみたいと思っています。