患者さんのライフスタイルに寄り添う透析看護認定看護師の役割とは?

患者さんのライフスタイルに寄り添う透析看護認定看護師の役割とは?

最近では認定看護師の資格を取得して活躍している看護師も増えてきましたが、その中の1つである透析看護認定看護師は透析の現場で活躍するナースです。

人工透析は腎不全など腎機能を補うための治療方法ですが、近年、透析を受ける患者さんは増えており2012年時点では約30万人が透析を受けながら生活をしているという現状です。

人工透析を受けることで自宅で生活を送ることができたりと患者さんの活動の幅も広がっており、透析看護認定看護師の需要は高まることが予想されます。今回はそんな透析看護認定看護師の役割について紹介していきますのでぜひ、参考にしてみてください。

透析看護認定看護師とは、人工透析の現場を専門に活躍をしている看護師のことです。現在透析を受けている患者さんは約30万人以上と言われており、1990年以降は増加の一途をたどっていると言われています。そのため、透析施設を完備した病院や施設も増えており透析を受ける患者さんの増加とともに透析に関わる看護師の数も増えてきているのです。透析を受ける患者さんは一生透析を受け続けなければならないため、透析看護認定看護師は精神的にも身体的にも患者さんに寄り添いサポートを行なっていく役割が求められています。透析看護認定看護師になるためには看護師としての実務経験が5年以上、透析分野での経験が3年以上必要であり、認定看護師教育機関課程を修了するなど、資格取得までにはいくつかのハードルがあります。

患者さんのライフスタイルに寄り添う透析看護認定看護師の役割とは?

一生透析を受けて生活を続けなければならない患者さんに寄り添う透析看護認定看護師ですが、その役割とはどのようなものなのでしょうか?

透析室で働く看護師は一般的な病棟とは違って透析の専門知識が必要になります。透析看護師の役割は、生活指導や透析の説明、導入期指導、患者さんの健康観察、家族への対応が求められます。

透析を受ける患者さんの多くは糖尿病などの生活習慣病が原因となり、腎不全などの腎機能の低下により透析を受けざるを得ないという状況です。生きるために必要な治療ですが、一生付き合い続けていかなければならないため、ライフスタイルの変化や精神的にも負担がかかってしまいます。

そのため透析看護師は、透析の導入からスムーズに透析を行えるよう患者さんとその家族を全面的にサポートすることが求められるのです。

透析看護認定看護師は、透析看護師の役割とともに多方面に渡って業務を行うことが求められます。透析看護認定看護師は、透析に関する専門知識を持っているので、現場スタッフの看護技術や患者さんとの関わりの指導、教育や患者さんとその家族との面談や相談、スタッフの相談役、看護研究、他部門との連携や調整役などコーディネーターの役割も求められるのです。

透析を受ける患者さんやその家族にとって、透析看護認定看護師に相談をすることで精神的にも支えられ安心し、透析に対して前向きに取り組むことができるなど、患者さんにとっては心強い存在となっていることも現実です。

透析看護のプロである透析看護認定看護師になるために必要な資格は?

透析看護は患者さんとその家族のライフスタイルに寄り添って関わることが必要ですが、透析看護認定看護師になるためにはどんな資格が必要なのでしょうか?

透析看護認定看護師になるためには、看護師免許を取得していることが前提となります。准看護師免許では認められていないので、准看護師の人はまず、正看護師免許の取得から必要になります。

そして、看護師としての実務経験が5年以上あり、そのうち3年以上は透析看護師として働いていることが条件となります。そして認定看護師教育機関での研修を半年間受けて修了したら認定試験を受けることができます。

認定試験に合格すると認定看護師認定証が交付され、透析看護認定看護師として働くことができるのです。認定看護師にも専門看護師同様に5年ごとの更新が必要になり、更新の際は看護実践などの実績に基づいて書類審査があります。

取得後も看護師として常に研究を行い学び続ける必要があるのです。

透析看護認定看護師の仕事内容や必要なスキルとは?

透析室や透析病院などで活躍する透析看護認定看護師ですが、仕事内容や必要なスキルなどはどのようなものでしょうか?

基本的な看護業務は透析看護師と同じであり、主に透析を受ける患者さんの処置や透析中の観察、透析前後の健康状態の管理などを行います。

主な業務内容としては、患者さんの健康管理と指導や透析の準備であるプライミング、透析のための穿刺、抜糸、止血などの処置、透析に使う器械の操作、透析中の患者さんのバイタルサインのチェック、患者さんの精神面などの総合的なケア、急変時の対応などです。

透析看護師はこのように看護の実践を行なっていますが、透析看護認定看護師は看護の実践の他に、看護実践を通して現場スタッフに対して教育や指導を行ったり、患者さんやその家族、現場スタッフからの相談役としても役割があります。

そして、現場での看護の質の向上を目的とした勉強会の計画や実施、在宅で生活を送る患者さんに対して地域連携室や医師、ケースワーカーなどの他部門との連携や調整役なども行います。

透析を受ける患者さんの中には、透析の導入のために入院を行い、導入が終わったら在宅で生活を送りながら透析を行うという人も多いため、在宅に戻った後の生活をサポートするためにも他部門との連携も重要になるのです。

透析認定看護師に必要とされるスキルは、コミュニケーション能力や緊急時の対応です。透析中に血圧低下により気分不良を訴える患者さんもいるため、観察力や予知能力など様々な方面での能力が必要とされるのです。

透析看護認定看護師が活躍する職場環境とはどのようなものか?

透析看護認定看護師が活躍する職場環境とはどのようなものなのでしょうか?

透析看護師は主に総合病院の透析室や透析設備があるクリニック、透析病院などで活躍をしています。最近では透析病院も増えてきているため、透析看護認定看護師の活躍できる場も増えてきています。

透析室の特徴として、土日が休みのところも多く、夜勤がないことが挙げられます。そのため、自分のプライベートと仕事を両立させやすいため人気が高い職場でもあるのです。

しかし、夜勤がなく土日が休みで規則正しい生活を送ることができますが、夜勤がないぶんお給料は一般的な看護師と比較すると低くなってしまう傾向にあります。資格に対する手当も職場によって金額も異なるため、思っていたより給料アップに繋がらなかったということもあります。

透析看護認定看護師として活躍するためには求人サイトで探そう

透析看護認定看護師として資格を活かして今より待遇の良い病院で働きたいと考えている人は、看護師向けの転職サイトで相談することをオススメします。

病院によっては資格に対する手当などの金額が少ない場合や、透析室の危険手当なども支給されない職場もあるため、しっかり事前にチェックしておくことが重要です。

キャリアーアドバイザーに相談すれば細かい情報まで教えてもらうことができるので、忙しくて時間がないという場合も、自分で行うよりかなり効率よく情報収集を行うとができます。


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