院内感染を防ぐプロ!感染症管理認定看護師の役割とは?

院内感染を防ぐプロ!感染症管理認定看護師の役割とは?

感染症と聞くと風邪なども含まれますが、病院内で働く看護師や医師、スタッフは特に敏感になるものですよね。

病院内には感染症を持った患者さんも入院しており、人から人へ感染が広がってしまい関係のない患者さんにまで被害が及んでしまうこともあります。特に看護師は色々な患者さんと触れ合う機会が多いため、感染源を運ぶ運び役となってしまうのです。

そんな院内感染を防ぐプロである感染症認定看護師の役割について紹介していきます。

感染症は風邪やインフルエンザ、ノロウイルスなど様々な菌によって引き起こされます。これらの菌は人を介して感染が広がることが多く、病院などの医療施設では集団感染を起こしてしまうため特に気をつけなければなりません。患者さんから患者さんへの感染経路は主に医療従事者からのことが多く、院内感染を予防するための取り組みを強化している病院も増えて来ています。感染症管理認定看護師は、感染症を扱うプロですが、院内感染の予防や感染防止術など専門的な知識を身につけ、感染症から患者さん、医療従事者を守る役割を行なっています。感染症管理認定看護師になるためには、看護師としての実務経験が5年以上、そのうち感染症の分野での実務経験が3年以上必要になります。その後、研修を修了して試験を受けて合格後、感染症管理認定看護師として働くことができます。

感染症を扱うプロである感染症管理認定看護師とは?

病院内の感染を扱うプロである感染症管理認定看護師とは、どのようなものなのでしょうか?

感染症管理認定看護師は、1998年より日本看護協会によって認定され、感染管理において熟練した看護技術および知識を有する人にのみ与えられる資格のことです。

認定制度が開始された当時は、院内感染の発生率は非常に高く、感染の拡大が問題視されていました。院内感染が発生すると病棟内だけでなく、病院全体が感染源となることも。

感染の予防対策や継続的な管理、再発予防における発生状況の検査・集計(サーベイランス)などの知識・技術は、看護経験の積み重ねだけでは習得し難く、それゆえ医療施設において感染管理におけるキーパーソンとなる人材の育成を目的として、他の領域に先がけて早々に制定されました。

感染症管理認定看護師は、感染症の専門的な知識を活かして、現場スタッフの教育や指導、病棟内における感染症対策、勉強会の企画や実施、講演など活動は多岐に渡ります。部署内の活動だけでなく病院内の感染症対策のために活躍しています。

感染症管理認定看護師は、疫学、感染管理学、感染症学、微生物学、統計学、医療関連感染サーベイランス、医療管理学、職業感染管理、感染防止技術、感染管理指導、洗浄・消毒・滅菌技術、ファシリティマネジメントなど感染に関する様々な技術や知識を包括的に習得した上でなることができる感染管理のスペシャリストです。

感染症管理認定看護師として働くために必要な資格とは?

感染症管理認定看護師として働くためにはどのような資格が必要になるのでしょうか?

感染症管理認定看護師として働くためには、最低条件として看護師免許を持っていることです。准看護師の免許では取得ができないため、准看護師の人は正看護師の免許の取得から始めましょう。

そして看護師としての実務経験が5年以上、そのうち感染管理に関わる看護経験が3年以上あることが必要になります。その後、専門の教育機関での半年間の研修を修了したのちに感染症管理認定看護師の認定試験を受けることができます。

感染症管理認定看護師の試験に合格したら認定看護師として働くことができるのです。この認定資格には、5年ごとに更新があり、看護実践や研究などの実績を元に書類審査がありますので、資格を取得後も学び続ける必要があります。

感染症のプロである感染症管理認定看護師の仕事内容とは?

感染症のプロである感染症管理認定看護師の仕事内容とはどのようなものなのでしょうか?

感染症管理認定看護師の仕事内容は、看護実践の他に感染症の予防の取り組みや相談、指導、感染症が発生した時の対策などがあります。活動の範囲は多岐に渡ります。

感染症管理認定看護師は院内で発生する感染症を低減するために、予防・対策、医療関連感染の発生の監視、職業感染対策、すべての職員への感染症対策指導、病院環境のファシリテーター、感染症管理システムの構築の6つの業務を包括的かつ実践的に行うのが仕事です。

予防・対策とは、すべての人の血液や体液、分泌液などの全てにおいて感染性があると捉え、日常生活においても感染症の発症や蔓延に務め、感染時には迅速に標準予防策並びに感染経路予防策を実施するとともに職員に対して適切な実施を促します。

医療関連感染の発生の監視とは、全体的な院内感染の発生状況のみならず、中心静脈カテーテル関連血液感染、手術部位感染、人工呼吸器関連など、多方面から包括的にサーベイランスを行い、得たデータとともに日常的な対策案を具体化、実施します。

職業感染対策は、針刺し事故による医療従事者などへの感染を防止するために、利キャップの禁止や注射針専用の破棄容器の適切な配置、安全器材の活用など感染予防対策を講じるとともに、指導と監視を行います。

すべての職員への感染対策指導は、全病棟のラウンド・点検を行い、感染対策が適切に行われているかを確認し、不備がある場合には院内感染予防の観点から指摘・改善指導・教育を行います。また、院内感染の重大性を周知させるために啓発運動や感染対策教育における企画・運営を行います。

このように感染症に関する予防から対策、スタッフへの教育、指導なども感染管理認定看護師の仕事なのです。

感染症管理認定看護師が活躍する職場環境とは?

感染管理認定看護師が活躍する職場環境とはどのような場所なのでしょうか?

感染管理認定看護師が活躍するのは主に、病院や施設になります。病院は特に免疫力の低下している患者さんも多く、院内感染が発生してしまうと瞬く間に広がってしまいます。一度院内感染が広がってしまうと収集がつかなくなってしまうため、病院や施設などで感染管理を行い活躍している人が多いです。

クリニックよりも総合病院や介護施設などの規模の大きい職場で活躍している感染症管理認定看護師が多く、ニーズも高まっているため転職先には困らないでしょう。

感染症管理認定看護師として待遇の良い求人を見つけるためには?

感染症管理認定看護師として待遇の良い求人を見つけるためにはどうしたら良いのでしょうか?

感染症管理認定看護師は認定資格の中でも一番取得している人が多く、人気の資格になっています。都心部に行けば行くほど感染症管理認定看護師の数は多く地方に行くほど少ない傾向にあります。

病院の中には認定資格への手当なども差があるため、認定資格を活かして待遇の良い求人を見つけるためには、看護師向けの転職サイトを利用することをオススメします。転職サイトのキャリアコンサルタントに相談することで、待遇の良い非公開求人なども優先的に紹介してもらえることもあるので、自分で転職先を探すより効率的に探すことができます。

また、気になる情報や内部事情についても教えてもらったり、調べてもらうことがとできるので、情報収集に役立てるなど上手く利用しましょう。


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