地域医療を支える在宅看護専門看護師の役割と仕事内容とは?

地域医療を支える在宅看護専門看護師の役割と仕事内容とは?

最近では病院ではなく自分の家で最期を迎えたいと希望する人が増えてきています。

今の日本では病院で亡くなることが普通になっていますが、実は1970年代までは自宅で亡くなる人の方が多い時代だったのです。そんな家族の希望を叶えるために在宅での療養を続けられるようなサポートや制度が広まりつつあるのです。

在宅看護専門看護師は地域医療を支える看護師のスペシャリストなのです。今回は在宅看護専門看護師の役割と仕事内容について紹介しますのでぜひ、参考にしてみてください。

現在、自宅で療養生活を送りたいと希望している人の増加や、長期入院ではなくできるだけ早く地域に戻って生活を送れるよう政府などが支援を行っています。自宅で療養するためには訪問看護やホームヘルパーなどのサポートを受けながら生活を送っている人も多くいます。自宅療養のニーズが高まる中、在宅医療の分野でも在宅看護専門看護師などのスペシャリストの存在は心強いものになります。在宅看護専門看護師になるためには、看護師としての実務経験が5年以上、そのうち3年以上は在宅医療の分野での経験が必要になります。その後、看護系大学院修士課程を修了して専門看護師になるための試験を受けることができます。

自宅で療養する患者さんをサポートする在宅看護専門看護師とは?

病院は治療を行う場所ですが、最近では成人病などの持病を抱えながら生活を送っている人もたくさんいます。病気を抱えながら生活を送る患者さんをサポートする在宅看護専門看護師とはどのようなものなのでしょうか?

在宅看護専門看護師は自宅などで療養生活を送る患者さんに対して、より質の高い看護を提供することを役割としています。

自宅で療養生活を送る患者さんには、在宅で生活を送る上で医療サポートなどの体制が必要になります。在宅での療養生活をサポートするのが在宅看護の役割でもあるのです。在宅看護とは、病院ではなく住み慣れた自宅で療養生活を送る人への看護であり、訪問看護ステーションや医療機関の看護師が対象者の自宅を訪問して看護ケアを提供するものです。

在宅療養を支える看護師の仕事として、訪問看護がありますが、在宅看護は基本的に家族がケアを行うという考えです。自宅で療養生活を送る場合は、家族の協力も必要になってきます。そのため、かかりつけ医と相談しながら自宅で家族が看護ケアなどを行うことが一般的なのです。

よく在宅看護と訪問看護は同じように考えられていますが、訪問看護は訪問看護師が医師の指導に基づいて患者さんの療養上の世話や医療処置などを行う看護サービスです。あくまで、医師の指導に基づいたものであり、医療従事者が行う必要のある医療処置などがメインになります。

在宅看護は、家族が自宅で患者さんの看護ケアが行えるようにサポートしてくことが目的であり、訪問看護は訪問看護師が必要な医療処理やケアなどの医療的な行為を行うことができるのです。

このように在宅看護専門看護師は、より専門的な在宅看護の知識を身につけ、自宅で生活を送る患者さんとその家族をサポートする役割を担っているのです。

在宅看護専門看護師になるために必要な資格とは?

在宅医療のスペシャリストである在宅看護専門看護師ですが、在宅看護専門看護師になるために必要な資格はどんなものがあるのでしょうか?

在宅看護専門看護師になるために必要な資格として、看護師の国家資格を持っていることです。准看護師の免許では在宅看護専門看護師の資格を取得することができないため、注意が必要です。

そして、看護師としての実務経験が5年以上あり、そのうち在宅看護の領域での経験が3年以上あることです。これらの条件を満たし、看護系大学院修士課程を修了後、必要な単位を取得して認定審査を受けることができます。認定審査に合格すると、在宅看護専門看護師として働くことができるのです。

ただし、資格の取得後は5年ごとに看護実践や研究などの実績とともに評価があるため、在宅看護専門看護師として学び続ける必要があります。

在宅看護専門看護師が行なっている仕事内容とは?

在宅看護専門看護師は、自宅で療養生活を送る患者さんとその家族が対象となりますが、どのような内容の仕事を行なっているのでしょうか?

在宅看護専門看護師の仕事内容は、在宅で療養する患者さんや家族を様々な形で支援を行うことです。主な仕事としては、入浴介助などの日常生活援助や医療処置、リハビリテーション、ターミナルケア、本人・家族の相談や指導、利用者のために地域ネットワークを構築、在宅看護に関する実践的研究、訪問看護ステーションなど事業の管理運営を行いサービスの質改善にあたる、在宅看護に関わるスタッフの指導や教育などになります。

在宅看護専門看護師は看護の実践以外にも様々な仕事があり内容は多岐に渡ります。実際に在宅看護の仕事内容を訪問看護師を例にあげてみてみましょう。

訪問看護師は、自宅で療養を行う患者さんなどが対象になりますが、主に医師から指導を受けた医療処置を行います。医療処置だけでなく療養上のお世話なども行います。利用者さんの中には人工呼吸器をつけている人もいるため、バイタルサインをチェックしたり、ケアを行います。必要があれば家族に看護技術の指導なども行います。

在宅看護専門看護師の中には、在宅看護専門看護師として専門的な知識を活かして、現場スタッフの育成や指導をメインに行なっている人もいれば、訪問看護ステーションで訪問看護師として看護を提供している人もいます。

また、在宅看護専門看護師は患者さんと他部門をつなぐコーディネーター的な役割や、現場スタッフから相談を受けたり、患者さんの家族からの相談に乗ったりと活動は多岐に渡ります。そして、勉強会の企画と実施や講習会などに呼ばれて講演を行うこともあります。在宅看護専門看護師は患者さんだけでなく、スタッフからも頼られる存在なのです。

在宅看護専門看護師が活躍している職場環境とは?

在宅看護専門看護師が活躍している職場環境とはどのような場所なのでしょうか?

在宅看護専門看護師が活躍している職場環境は主に、訪問看護ステーションなどの在宅療養をサポートする現場で活躍しています。病院などでは在宅で生活を送る療養者と関わる機会も少ないため、訪問看護師として働いている人が多いようです。

訪問看護ステーションはニーズの高まりも増えてきており、訪問看護ステーション自体の数も増加傾向です。しかし、訪問看護師は不足している状態であるため、最低人数である訪問看護ステーション管理者と常勤看護師1名、非常勤看護師1名のスタッフで運営されているところもあります。

夜間や休日などはオンコール制のところもあるため、スタッフの人数が少ないと忙しい職場が多く、大変に感じることも多いでしょう。

在宅看護専門看護師として働くためには求人も重要!?

在宅看護専門看護師として活躍したい、働きたいと思っている人は職場探しも重要ですよね。訪問看護ステーションの中には先ほど挙げたように少人数で行なっているところもあるので、自分に合った職場探しが大切なのです。

働きながら自分にあった職場探しを行う場合は、看護師専門の求人サイトでキャリアコンサルタントに相談することがオススメですよ。


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