重症患者さんのケアを行う集中ケア認定看護師の役割とは?
集中ケア認定看護師は聞いたことがないという人もいると思いますが、主にCCUなどに勤務をして重症患者および集中治療を必要とする患者さんの看護を行う知識と技術を身につけた人のことを言います。
救急患者さんを受けれている病院であれば、ICUやCCUなどの集中治療室もあると思いますが、そのような緊急を要する現場で働く看護師のスペシャリストなのです。
今回はそんな重症患者さんのケアを行う集中ケア認定看護師について紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
集中ケア認定看護師とは、日本看護協会が認定している制度のことで1997年に特定され、1999年に認定が開始された認定資格のことです。集中ケア認定看護師は、生命の危機に直面している重症患者さんのケアなどを行う、重症ケアのスペシャリストであり、主にCCUやICUなどの集中治療室で活躍しています。現在全国で約750名の集中ケア認定看護師が活躍しており、今後もニーズの高まりが予測されます。集中ケア認定看護師になるためには、5年以上の看護師としての実務経験と、そのうち3年以上は集中ケアの分野での経験があることが条件となります。その後、認定看護師になるための研修を修了し、認定審査に合格することで、集中ケア認定看護師として働くことができます。
重症患者さんのケアを行う集中ケア認定看護師とは?
主にICUやCCUなどの集中治療室で、重症患者さんのケアを行う集中ケア認定看護師ですが、どのようなものなのでしょうか?
集中ケア認定看護師は、命の危険がある患者さんとその家族に対する看護のエキスパートであり、集中ケアの分野に関して専門的な看護技術と知識を身につけた看護師のことです。
集中ケア認定看護師の役割としては、生命の危機状態にある患者の病態変化を予測した重篤化の予防行為、廃用症候群など予想される二次的合併症の予防行為、回復のための体位調整や接触嚥下訓練などの早期リハビリテーションの実施などが挙げられます。
そして、重症患者さんの集中ケア以外にも、集中ケアに関する指導、家族や関係者へのコンサルテーションなども行います。
生命の危機にある患者さんのケアでは、早期に回復できるよう徹底的にケアを行い呼吸サポートを行うチームと結成して24時間体制で患者さんの生命を守ります。また、危機状態を脱して回復状態にある患者さんのケアや一般病棟に入院している重症患者さんのケアも集中ケア認定看護師が担当することもあります。
集中ケアに関する指導とは、24時間体制の医療と看護が必要な患者さんのケアを行うためには、看護師や医師、そのほかの医療スタッフとの協力が必要になります。医療チームで患者さんのケアを行なっていくため、集中ケア認定看護師としての専門的な知識をメンバーに指導を行うことが大切になります。
家族や関係者へのコンサルテーションは、集中ケアを受けている患者さんの心理的な不安や負担などが少しでも軽減されるように、患者さんとその家族の相談に積極的に乗り、実務的なアドバイスと精神的なケアを行います。チーム外の医療関係者も集中ケアに関しての疑問や質問に対しての、問題解決のサポートを行ったりもします。
このように、重症で集中ケアが必要な患者さんへの総合的なケアを行うのが、集中ケア認定看護師の役割なのです。
集中ケア認定看護師として働くために必要な資格とは?
重症患者さんやその家族の精神的なサポートを行う心強い存在の集中ケア認定看護師ですが、集中ケア認定看護師として働くために必要な資格とはどのようなものがあるのでしょうか?
集中ケア認定看護師として働くためには、最低条件として看護師免許を持っていることが条件となります。准看護師免許では取得できないので注意が必要です。
そして、看護師としての実務経験が5年以上、そのうち3年以上は集中ケアでの分野の経験があることが条件となります。また、集中ケアの分野の認定資格を取得するにあたっては、通算3年以上、集中ケア部門での看護実績を有すること、集中ケアの患者さんを5回以上担当した実績があること、などの条件を満たしていることが望ましいとされています。
これらの条件を満たした人は。看護協会が定めている認定看護師教育基準カリキュラムを半年間受けて修了したのち、認定審査の試験を受けることができます。認定審査に合格すると集中ケア認定看護師として働くことができます。
集中ケア認定看護師の難易度はそこまで高くなく、平均して90%の人が合格をしています。
集中ケア認定看護師の仕事内容と求められる看護スキルとは?
集中ケア認定看護師は命の危機に直面した重症患者さんのケアを行いますが、仕事内容やどのような看護スキルが求められるのかが気になるという人も多いと思います。集中ケア認定看護師の仕事内容と求められるスキルについてみていきましょう。
集中ケア認定看護師の仕事内容は、重症患者さんに看護ケアを提供する看護の実践だけでなく、その活躍は多岐にわたります。
主な仕事内容は、患者さんとその家族の相談に乗ってアドバイスをしたり、現場スタッフへの指導や教育、他部門との調整などのコーディネーターとしての役割、専門的な知識を活かして院内勉強会や病棟勉強会の実施と講演など、様々な業務を行います。
特に、患者さんとその家族への関わりとしては、精神的な負担が大きいため、専門的な知識を持っている集中ケア認定看護師に相談をすることで安心感を得られたり、治療に前向きに取り組めたりなど心強い存在になっています。
重症患者さんは急変などの病状の変化も起こりやすいため、常に同じ水準で看護ケアを提供できるよう、現場スタッフへの看護技術の指導や教育なども集中ケア認定看護師の大切な仕事なのです。
そのほかにも集中ケア認定看護師の資格を活かして、自分の部署だけでなく他部署への指導や教育などを行ったり、部署を超えて活躍している看護師も多いです。
集中ケア認定看護師は集中ケアの現場では欠かせない存在なのです。
集中ケア認定看護師が活躍している職場環境とは?
集中ケア認定看護師はどのような職場で活躍をしているのでしょうか?
集中ケア認定看護師が活躍している職場は、主にICUやCCUなどの集中治療室です。ほかにも救命救急センターや緊急外来を受け付けている一般病院、手術の多い診療科などでも活躍できる場となっています。
また、少数ではあるもののクリニックや診療所などもあります。診療科目で見ると、外傷を負った患者の多い外科や様々な症例を診察する内科、そのほか手術の多い診療科では集中ケア認定看護師の需要が高いことが特徴です。
医療機関に限らず、学校や大学、認定看護師教育機関などで活躍している人もいて、活躍の場は幅広くあります。
集中ケア認定看護師として働ける求人を見つけるためには?
集中ケア認定看護師として活躍するためには、認定看護師にとって条件の良い職場で働きたいという人も多いですよね。病院の中には認定看護師に対して、資格手当などが支給されない職場もあるため、事前に確認を行うことが大切です。
将来認定看護師の取得を目指しているという人は、資格取得に向けてのサポート体制などが整っているかもチェックしておきたいポイントです。このような条件にあった求人を効率よく探すためには、看護師向けの求人サイトに登録をすることが一番の近道です。