ストーマーケアのプロ!皮膚・排泄ケア認定看護師の役割とは?
人間の生活にとって排泄は大切な部分ですが、病気などによって通常の排泄機能が失われてしまった人などは、排泄管理が必要になります。
皮膚・排泄ケア認定看護師は、創傷やストーマーケア、失禁看護などと言われており、排泄ケアを通してスキンケアなどの看護を提供しています。
寝たきりの患者さんが増えてきている中で、排泄ケアや褥瘡ケアなどのスキンケアは、患者さんのQOLに関わる部分でもあり、皮膚・排泄ケア認定看護師の需要も高まってきているのです。
目次
皮膚・排泄ケア認定看護師とは、以前は「創傷・ストーマ・失禁看護」と呼ばれており、2007年から「皮膚・排泄ケア」という名称に変わっています。皮膚・排泄ケアでは、寝たきりの患者さんの排泄ケアや、ストーマー管理、褥瘡ケアなどの看護ケアを提供していますが、スキンケアは治療を行う上で基本となる部分なので、重要な役割を担っています。現在、皮膚・排泄ケア認定看護師は全国で約2300人ほど活躍しており、主な活躍場所は病院や施設などです。皮膚・排泄ケア認定看護師になるためには、5年以上の実務経験と3年以上の皮膚・排泄ケア分野での実務経験が必要になります。
ストーマーケアのプロ!皮膚・排泄ケア認定看護師とは?
病院では欠かせない、スキンケアの看護を提供している皮膚・排泄ケア認定看護師ですが、どのようなものなのでしょうか?
皮膚・排泄ケア認定看護師とは、皮膚・排泄ケアの専門的な知識を持った看護師のことです。2007年までは、「創傷・ストーマ・失禁看護」と呼ばれる分野でしたが、2007年以降は、「皮膚・排泄ケア」に名称が変更されています。
認定資格としては、1995年に特定され、1997年から認定がスタートした、認定資格制度の中でも救急看護認看護師と同様に古い認定資格になります。現在では全国で約2300人の皮膚・排泄ケア認定看護師が活躍しており、認定資格の中でも有資格者が多く、認定開始から毎年人数は増加しています。
皮膚・排泄ケア認定看護師の役割は、主に褥瘡の管理やストーマ、失禁などの排泄管理、その患者と家族のセルフケアなどを行うことです。皮膚のケアは主に褥瘡の創傷管理で、治療を行ううえで基本となる部分で、患者さんのQOLにも関わってくるため、重要な仕事なのです。
また、排泄は人が生きる上で欠かせないものであり、寝たきりの患者さんなどは、自分で排泄を行うことができない人もいます。そのような患者さんの排泄をサポートし、ケアを行うことも、皮膚・排泄ケア認定看護師の重要な役割で、デリケートな業務なのです。
実際に病院では寝たきりの患者さんも多く、患者さんの中には褥瘡が発生してしまい、治療に時間がかかってしまい在宅に戻れないという人もいます。そのような褥瘡をケアし、治療を行い、また、現場の看護師に適切な処置方法を教育、指導することも皮膚・排泄ケア認定看護師の役割なのです。
皮膚・排泄ケア認定看護師の資格を取るために必要な条件とは?
皮膚・排泄ケア認定看護師は活躍している人も多く、将来的に目指したいと考えている人も多いと思いますが、皮膚・排泄ケア認定看護師の資格を取るためには、どのような条件などが必要になるのでしょうか?
皮膚・排泄ケア認定看護師になるための最低条件として、看護師の免許を持っていることが必要になります。准看護師の免許では、資格を取得することができないため、注意が必要です。
そして、看護師免許取得後の実務経験が5年以上あり、そのうち3年以上は皮膚・排泄ケアの看護の経験があることが条件になります。皮膚・排泄ケア認定看護師の資格取得のための実務経験とは、次の3つの条件を満たしていることが望ましいと看護協会が定めています。
通算3年以上、外科系領域またはストーマケアを行う病棟・外来・在宅ケア領域での看護実績を有すること、ストーマ造設患者の看護を1例以上、及び創傷または失禁ケア領域の看護を4例以上担当した実績を有すること、現在創傷ケア、ストーマケア、または失禁ケアを行う病棟・外来・在宅ケア領域で勤務していることが望ましいとされています。
これらの条件を満たした人は、看護協会が定める教育機関で約6ヶ月間の研修を受け、認定資格試験を受験することができます。
合格率は約100%に近く、教育課程を受験すればほとんどの方が認定審査に合格している状況です。
褥瘡ケアなどを行う皮膚・排泄ケア認定看護師の仕事内容とは?
褥瘡ケアなどを行う皮膚・排泄ケア認定看護師の仕事内容とは、どのようなものなのでしょうか?
皮膚・排泄ケア認定看護師の仕事内容は、主にストーマなどの排泄管理や褥瘡ケアなどのスキンケアなどを行います。特に寝たきりの患者や排泄が自分で出来ない患者さんは、褥瘡トラブルが起きやすく、排泄管理や褥瘡予防のためのケアなどが肝心になります。
また、在宅で療養をしている人には、家族への褥瘡予防やケアの方法なども指導することもあります。褥瘡がすでに発生してしまっている場合には、洗浄方法やケアの方法なども指導を行います。
皮膚・排泄ケア認定看護師はこのような患者さんへの看護ケアの提供だけでなく、現場での教育や指導、スタッフや患者さんからの相談役、勉強会の企画や実施、他部門との調整なども行います。
皮膚・排泄ケア認定看護師の仕事内容は多岐にわたり、部署を超えた活躍をしている人が多いです。寝たきりの患者さんが多い病院では、部署などは関係なく褥瘡が発生するリスクが高いため、部署に所属するというよりも、病院の院内対策室などに配属される人も多いです。
皮膚・排泄ケア認定看護師が活躍ている職場はどのような環境なのか?
全国に約2300人ほどが活躍している、皮膚・排泄ケア認定看護師ですが、どのような職場で活躍をしているのでしょうか?
皮膚・排泄ケア認定看護師が活躍している職場は、他の認定資格と比べると多いことが特徴です。褥瘡は寝たきりの状態や長期間の入院患者さんに多いため、このような患者さんが入院できる設備が整っている病院などが主な職場となります。
また、スキンケアの専門知識を持っているため、手術後の術後トラブルを起こした患者さんのケアを任されることもあり、手術設備を持った病院でも活躍することができます。
病院以外では、医師や看護師が常駐する高齢者施設では寝たきりの高齢者が多く、皮膚・排泄ケア認定看護師の需要が高まってきています。数は多くないですが、ストーマ外来やストーマ・スキンケア外来など専門外来で活躍している皮膚・排泄ケア認定看護師も増えてきています。
排泄ケアやスキンケアは、看護の基本的な部分になるので、病院や施設でも皮膚・排泄ケア認定看護師のニーズが高まってきており、今後も活躍できる場所は増えていくことが考えられます。
皮膚・排泄ケア認定看護師として働ける求人を見つけるためには?
現在、皮膚・排泄ケア認定看護師の資格を持っている人も、これから皮膚・排泄ケア認定看護師の資格を取得する人も、できれば条件の良い職場で働きたいと考えている人も多いと思います。
皮膚・排泄ケア認定看護師として活躍するためには、資格手当が充実しているか、資格取得補助制度があるかどうかが重要になりますが、転職サイトのキャリアアドバイザーに相談することで、条件にあった求人を紹介してもらうことができます。