在宅療養を支えるスペシャリスト!地域看護専門看護師の役割とは?

在宅療養を支えるスペシャリスト!地域看護専門看護師の役割とは?

最近は入院期間の短縮化によって在宅で療養や治療を行う患者さんが増えてきており、在宅看護のニーズも高まってきています。

入院生活の短縮化に伴い、退院後の患者さんが地域で生活を送るためには、地域や行政と連携を図りながら包括的なサポートが必要になり、地域看護専門看護師の需要も高まってきているのです。

今回はそんな在宅療養を支えるスペシャリストである地域看護専門看護師の役割について紹介します。

地域看護専門看護師は、地域の人々の生活の沿った高度な看護を提供することが役割です。地域看護専門看護師の重要な役割として、入院している患者さんが地域に戻っても療養が続けられるよう地域全体の看護を支えることであり、行政やボランティアとの調整役や訪問看護師の育成、在宅看護に関わる他職種との連携などがあります。地域看護専門看護師になるためには、看護師免許を取得していることが条件であり、免許取得後に看護師とての実務経験が5年以上、そのうち3年は在宅ケア看護などの専門分野での経験が必要になります。そして、看護系大学院修士課程修了者で日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位を取得していることが必要になります。

在宅療養を支えるスペシャリスト!地域看護専門看護師とは?

在宅療養を支えるスペシャリストである地域看護専門看護師とはどのようなものなのでしょうか?

地域看護専門看護師は、日本看護協会が定める専門看護師制度の分野の1つであり、1996年に特定され、1997年に専門看護師として認定が開始されました。2016年現在では全国で25人が地域看護専門看護師として活躍をしています。全国の中でも広島や愛媛、関西、新潟、群馬、都心部、北海道と全国的にも人数にバラつきが見られます。

そんな地域看護専門看護師ですが、主な役割は地域の人々の生活の沿った高度な看護を提供することです。訪問看護ステーションや在宅医療センター、急性期病院の地域連携室、行政機関、教育機関、地方議会などいろいろな場所で活躍をしています。

最近では、地域の過疎化や少子高齢化が進んでいたり、過疎化した地域では十分な医療機関がなく、医療の偏在などの問題により、在宅で療養するために必要な看護や医療の提供が求められています。その中で、医療機関や行政などと連携を取りつつも質が高く、必要な人に適切な看護を提供しながら、看護師の教育や指導を行っていくなど地域全体を支える役割が期待されているのです。

地域全体の看護の質の向上や、適切な看護の提供を図ることが役割であり、保健師とどう用の資格のように思えますが、保健師とは違います。地域看護専門看護師、保健師の主な職場となる市区町村の保健センターや各都道府県の保健所で働くのではなく、それ以外の施設や病院で働く地域看護の専門資格となるのです。

在宅で療養生活を送る患者さんが、地域で安心して生活が送れるようサポートを行なっていくのが、地域看護専門看護師の役割なのです。

地域看護専門看護師として活躍するために必要な資格とは?

地域医療を支える心強い存在である地域看護専門看護師ですが、地域看護専門看護師として活躍するためにはどのような資格や条件が必要になるのでしょうか?

地域看護専門看護師として活躍するためには、最低条件として看護師免許を取得していることが必要になります。准看護師の場合は、看護師免許を取得することが必要になるため注意してください。

そして、看護師免許取得後に看護師としての実務経験が5年以上、そのうち3年以上は行政地域看護、在宅ケア看護、産業看護、学校看護などの地域看護分野での実務経験があることが条件になります。

これらの条件に加えて、直接的な看護の実践2例、コンサルテーション1例、ケアを円滑に行うための保険医療福祉との連携コーディネーション1例、看護師や保健師への教育活動1例の看護実績報告書が必要になります。

上記の条件を見たした上で、看護系大学院修士課程、あるいは関連領域の大学修士課程で定められた科目単位を取得することで、認定審査を受けることができ合格後に、地域看護専門看護師として働くことができます。

地域看護専門看護師として働きたいと考えている人は、最短でも看護師として働き始めて7 年は必要になるため、計画的に資格の取得を考えることをオススメします。

地域を支える地域看護専門看護師の仕事内容や必要なスキルとは?

地域を支える地域看護専門看護師ですが、仕事内容や必要なスキルとはどのようなものなのでしょうか?

地域看護専門看護師の仕事内容は、地域の在宅看護に関わるあらゆることが対象になります。知識や看護技術だけでなく、多くの関係者の意見を調整し、組織的に問題を解決することが仕事となります。

在宅看護が必要な患者さんへの看護の提供の他には、在宅看護に関わる訪問看護師などの看護師の育成やアドバイス、支援を行ったり、退院後の患者さんのケアや訪問看護の定期的なプランの作成、地域看護の発展を目的とした行政やボランティアのコミュニケーションなど、地域看護専門看護師としての仕事内容は多岐に渡ります。

また、インフルエンザやノロウイルスなどが流行りやすい地域や時期のときには、それらの病気を予防するための相談会や勉強会を開催したり、在宅看護や健康に関する啓発イベントを企画、開催したりします。

このように、地域看護専門看護師の仕事は看護師という枠を超えて広範囲に及びます。厚生労働省が国をあげて在宅看護を推進し、急性期病院の在院期間が短縮化している現在、地域看護専門看護師の仕事はますます増えていくことが予想されます。

地域看護専門看護師に求められるスキルは、地域の人から信頼が得られる人間性など色々な能力が必要になります。行政や地域と病院などの調整役なども重要な仕事の1つであるため、ケアコーディネーターとしての総合力も求められます。そして、将来を見越して行動できる力も地域看護専門看護師には求められるのです。

地域看護専門看護師が活躍できる職場環境とは?

地域看護専門看護師が活躍できる職場環境とはどのような場所なのでしょうか?

地域看護専門看護師が活躍できる職場は、主に在宅療養を行なっている患者さんがいるところになります。まだまだ少ない地域看護専門看護師ですが、訪問看護ステーションや在宅医療センター、急性期病院の地域連携室、行政機関、教育機関、地方議会など様々な場所で活躍しています。

地域看護専門看護師は、病院での看護に携わるというよりも、病院の外で活躍する場面が多いため、病院勤務だけでなく外で活躍したいという人には向いているでしょう。

また、医療現場や在宅看護の現場だけでなく、在宅看護のニーズの高まりから、地域で活躍する看護師の指導や育成などができる人材としての必要性が高まっており、そのような看護を育てる教育機関でも活躍の場が広がっています。

地域看護専門看護師として活躍できる求人を探すためには?

地域看護専門看護師は、様々な職場で活躍することができますが、資格を取得するまでに約240万円ほどの費用がかかり、自腹で資格を取得しなければなりません。もし、地域看護専門看護師になることを考えているという人は、専門分野が経験できるかどうかだけでなく、資格取得支援制度があるかどうかも視野に入れて求人探しを行うことが大切です。

資格支援制度や資格手当などは病院によって異なるため、看護師向けの求人サイトのコンサルタントに相談することが一番の近道です。


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